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デジタル転職Q&A

2023.09.30

電通が社員の業務委託化・個人事業主化を進めていますが、この流れは一般化するのでしょうか。

何年か前に、「電通が社員を個人事業主化して業務委託契約に切り替える」というニュースが話題になったかと思います。そこでの対象は勤続年数の長いミドル世代以上のようですが、こうした流れは今後も加速するのでしょうか?

ご指摘の通り、電通は2021年1月から全社員の3%にあたる約230人の社員を業務委託契約に切り替え、個人事業主化する制度を始めました。

対象は「新卒で入社した社員の場合は勤続20年以上で60歳未満、中途採用の場合は、勤続5年以上で40歳以上60歳未満」となっており、中高年世代の社員の個人事業主化を促すものです。実際には10年間の業務委託契約を結んだうえで、その間は社員時代の年収の5~6割程度の報酬に相当する仕事は確保されているようです。

参考リリース:独立した働き方を選んだ元電通のミドル層が集うニューホライズンコレクティブ 人生100年時代の会社


転職はもちろん、フリーランスや副業(複業)なども当たり前のものとなっている現在、電通のように社員を業務委託に切り替え、個人事業主化を促す制度が広まっていく可能性は高いと考えられます。
若年層の労働人口がますます減少し、社内における上の世代のウェイトが大きくなっていくと、特にミドル世代以上を業務委託に切り替える動きが今後さらに活発になっていくかもしれません。

そうなると、大企業といえども現状のポジションに安住していれば、これまで以上に将来のキャリアの幅が狭くなることが予想されます。

こうした流れを「体の良いリストラ」と見る向きもありますし、事実、そういった要素はゼロではないでしょう。ただ、工夫次第で正社員時代にはチャレンジできなかった新たな仕事に携われるチャンスもあるので、制度を活かすも殺すも自分次第というのが実際のところです。

少なくとも、これまで以上に「個」の力が求められるようになっているのは間違いないでしょう。

回答者
黒瀬雄一郎(株式会社ウィンスリー 代表)