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デジタル転職Q&A

2023.09.19

ビズリーチで企業人事から直接スカウトがきました。同じポジションでエージェントからもスカウトが届きましたが、どちらの方が内定が出やすいなどあるのでしょうか?

ビズリーチで大手コンサルティングファームの人事からスカウトが届きました。しかし同様のポジションでエージェントからもスカウトが届きました。

応募したい企業は決まっているので、受かりやすい方を選びたいのですが、
人事からのスカウトは選考が進んでしまうと辞退が出来なさそうであり、年収交渉が出来ないのでは?と危惧しています。

どちら経由で受けても結果はあまり変わらないのであればエージェント経由にしたいのですが、実情はいかがでしょうか?

今回のようなご質問、とくにビズリーチさんのご登録者の方より、ここのところじつによく聞かれることの多い内容ですね。かしこまりました。

”直接のスカウト経由も、エージェント経由でも選考プロセスに違いはない”

まず結論から申し上げます。企業のキャリア採用において直接のスカウト経由であったり、エージェント経由であってもその企業内における選考のプロセスやその難易度などは全く違いはありません。
従いましてどちらの方が内定が出やすいなどもございません。

また、知人などを介したいわゆるリファラル経由なども同様です。
直接スカウトには書類選考済みでのお声がけという場合もありますが、その初回の面接は人事担当者との面談であることが多く、本来的な書類選考が人事と現場サイドとの合意の上で通過者へ面接設定の通知をしていることを考えるとご質問の通り「内定」がそのゴールであるのですから、どのルートからでも結果として選考の優位性などの違いはありません。

ただし、ご質問のとおり直接応募の場合「年収交渉」などやや難しい局面があることは事実です。

参照:年収交渉が上手な転職エージェントは、他社と何が違うのでしょうか?

”そもそも「スカウト」は最初のお声がけであって、「入社オファー」のことではありません”

あらためて申し上げることでもないのですが、いわゆる登録型の転職サイトにおける「スカウト」は受信トレイに届いている開ききれないほどの通数やその具体的案件に乏しく定型文面的な内容を見てもお分かりのとおり、いわゆるヘッドハンターからそっとお声がけの来る競合社の重要ポストへのお誘いなどという、そういった意味合いや雰囲気のあるものとはやや異なるものであることは認識されたほうが良いでしょう。

”広告キャッチコピー「現場が、直接◯◯◯◯!」”

このようなTVCMをご覧になった方は多いのではないでしょうか?
こちらは当然みなさま向けではなく、企業の採用担当者や経営者が主なターゲットのCMですね。

これにはどういった背景があるのでしょうか?まず企業の採用人事の立場となって考えてみましょう。
いわゆるこれまでの日本型雇用体制も崩れ、職の流動化と転職の一般化による企業の人材流出やDX対応など人材スキルの変化にマッチするキャリア人材確保に企業の採用人事は相当な課題感を抱え、さらに人材不足で待ったなしの現場サイドからの強めの人員の要請に、かつてないプレッシャーにさらされています。

他方で選考を確立するには一定の応募数が必要となります。これをよく彼らは「母集団」と呼びます。
これを形成する流入経路が先述のたった3つしかないエントリー経路(①直接(スカウト)応募②リファラル応募③エージェント応募)なのです。

②リファラル応募についてはこれまで社内紹介制度の拡充などでかなりの成果を上げてきた企業もありますが、一定以上の拡大は難しく、そのため③エージェント応募の強化ということでエージェントとの契約を増やすことになります。

その一方で、採用ニーズの高度化による募集ポジションの細分化もあり、さまざまに求められる経験やスキルセットの理解が不十分なエージェントが数に任せてエントリーしてくることも多いとご相談をお受けすることもしばしばです。
そういった中で地道に自社HPのキャリア採用ページの改善に腐心する彼らの直接的手段がいわゆる①直接(スカウト)応募なのです。

ただし基本的にこれは企業担当者自身がさまざまな方法でマッチする候補者を検索し、お一人お一人のプロフィールを確認してスカウト文面を作成してお送りする作業です。
これは数千円/通のコストだけではなく採用人事担当の方々のかなり多くの業務負担を強いることを意味します。

そこでいっそのことそのスカウト業務を採用ニーズを抱える現場サイドが協力して推進する、そうした環境のなかで生まれてきた広告コピーが「現場が、直接!」なのです。

”企業直接スカウトはエージェントスカウトと何が違うのか”

では企業(人事もしくは現場担当者)からの直接スカウトはどのように考えれば良いのでしょうか?直接のスカウトには前向きに捉えてよい点が2つほどあります。

ひとつめは選考が早めに進む場合があるということです。
先方の人材要件に見合い、自身もまさに希望の企業ポジションであればなおさらです。

もう一点は企業サイドの想定ポジションとのマッチ度合いが一定程度あるということです。自社の必要人材として検索の上で目に留まったことに違いはないのです。

一方で考えておかねばならないことがあります。それは大きく一点、
これからの自身のキャリアの次のステージとして、スカウトされたその企業ポジションで選考を進めてほんとうに良いのかということです。

たとえば電通デジタルでは現在150件の募集ポジション、昨年の楽天グループでは900件を超える募集ポジションがありました。
このように細分化している昨今のポジション設定にはそれぞれに詳細な業務内容がありそのポジションの企業における位置づけも異なっています。

こういったポジションのあり方はとても大事なことです。それはご自身の次のキャリアの大切なビジネステーマであり、環境なのです。
しかしながら企業からの直接スカウトは言ってみれば150件のなかの一部署からのお声がけです。それは、はじめからその案件の可能性の確認という意味の選考です。
人事担当者からの直接スカウトはその限りではないかもしれませんが、多くの選考ポジションのある企業の採用人事は事業部や領域ごとに組織が分かれていて連携が十分ではない実情もあり、基本的に複数のポジションの同時選考が出来ないのもこうした背景があります。

”いまどういうテーマで転職を考え、いまどういう情報が必要なのか”

これは先月のことですが、初めてお会いした候補者の方に、こちらがスカウト時にご提案したグローバルのデジタルマーケポジション案件について、じつはいま同じ企業からのダイレクトスカウトの別ポジションで面接が予定されているが、今回のポジションを知って、そちらでエントリーできないかというご相談をいただきましたが、すでにそちらで進まれている状況のなかで直接お役には立てず恐縮したことがございました。

ちかごろはキャリアにおける転職も一般化し、いわば日常的なことのひとつになりました。転職エージェントを舞台にしたTVドラマなどもあるようです。たくさんの詳細な情報がさまざまな手段で入手できるようになっています。
情報サイトのCX改善も目覚ましく、一見どれでも、どちらからでも気軽に登録、そしてエントリーなどもできるように作られています。

しかし同じようでもそれはスイーツのお取り寄せやお気に入りの洋服やゲーム課金などとは異なる「転職を検討しその可能性を確認する」というそれなりに真剣で重みのある活動なのです。
そんなご自身の現在地でまさにどういったテーマを考え、ほんとうはどういった情報が必要なのでしょうか?

こういったご自身のお考えの整理や方向性のあり方などなかなかお一人では進めづらいものです。
ご自身の意識されていない要素もあるかもしれません。そういった一つ一つの選考プロセスの準備に、その方に合ったかたちでお役に立てることも、わたくしどもの大切な役割と考えています。

日頃より強い関係性や情報力そして幅広いネットワークにて皆様をご支援させていただいております、私共ウィンスリーへぜひお気軽にご相談ください。

回答者
T.K(シニアコンサルタント)