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デジタル転職Q&A

2024.07.19

希望する求人には要件が足りず転職を諦めていましたが、私より要件が足りていない知人が内定をとり転職をしていました。求人票の意味合いとは?

某大手事業会社のWEBマーケにどうしても転職をしたいのですが、求人票にある要件が足りておらず、現職で経験を積んでいます。

しかし、先日知人がそのポジションに転職をしたと聞きました。

求人票に記載のあるスキル経験は明らかに足りていない方なのですが…
求人票の要件はどこまで信用してよいのでしょうか?

求人票にある、いわゆる「採用要件」をどのように考えるべきかというお問い合わせですね。
こちらも面談の際に比較的多くの方よりいただくご質問ですね。かしこまりました。

はじめに一点申し上げますと知人の方について、その業務経験・スキル等に関するすべてをご存知ではないと思いますし、別のマッチする強力なポイントがあったかもしれませんので、当然ではございますが、そのあたりあらかじめお断りさせていただきますね。

なかなか予測のつきにくい書類選考の現実
じつを申しますと、年間に相当数の方々のご転職プロセスのご支援をさせていただいております私どもも、その選考結果について意外な印象を受けることは少ないことではございません。
言い換えれば採用要件をしっかり満たしている場合でも実際にはなかなか確実性を問えないことの多いプロセスといえるかもしれません。

ではこうした中でご質問の「採用要件」はどのように考える必要があるのでしょうか?
結論的な申し上げ方をさせていただきますと、しっかり確認する必要がありますが、その文言のみですべて決定されるものでもないということも同時に認識する必要がございます(わかりにくい表現で恐縮です)。
ますますどうすれば良いのかと考えてしまいますよね。

そもそも「採用要件」とはどういうものか
このあたりを認識して対応するためにはそもそも求人票およびその「採用要件」はどういった背景で導き出されているかを少し考えておく必要があると考えます。

そもそも従前の日本の高度成長を支えてきたメンバーシップ型雇用から昨今のジョブ型雇用へのシフトが大手企業含め進んでいる状況の中で(https://w3hr.jp/qa/vol-626/)、当然ながらそういったことでしっかりと規定されているそのジョブディスクリプションである求人票の表記内容も業務内容や期待される業務内容・レベルについての情報粒度がかなり下がってきて(より小さな多数の構成単位に細分化して)いるのも事実です。

ポジションにおける業務内容や課題・期待値など、それぞれの項目でかなり明確に設定され、言語化されてくるということですから、同様にそこで要求される経験・スキルなど人材の必要要件もより具体的で詳細な表記になってきているのも事実です。
ここはしっかりと認識しておく必要があります。

しかし、ひとつの疑問が生じます。それであれば実際のエントリー精度が高まり(マッチ度合いが向上し)、ご質問のように採用結果を意外に感じるケースは少なくなってくるはずと考えられるのです。
どのように考えておく必要があるのでしょうか?今回はココがポイントとなります。

ご存知のとおり、実際の採用選考プロセスでは「採用要件」を満たしていても書類不通過の場合もありますし、その反対もございます。
前段の背景を考えつつも実際の選考プロセスにおいては、大きく2つの要素を考えることが必要になってきます。

選考における「採用要件」はどのように捉えておくべきなのか
一点はいくつか表記されている要件すべてを満たす必要があったり、よく読むとどれかひとつで良い場合があったり、なによりその要素の優先度合いが明確に示されていないことも多く、このあたりから「うーむ自分の経験スキルではどうなのだろうか~」という想定の部分が生じてくることが実際に多いということです。

もう一点はそのポジションの現状の選考状況との関連です。
募集中のポジションはオープンしたり、採用が充足すればクローズしたり、欠員や事業拡大による増員決定などで再度オープンしたりと、つねに変動しているものです。
同一ポジションでも実際の採用人事担当者さまとのミーティングではそのタイミングによって、「マネジメント候補のリーダークラスは確保できたので、いまはむしろ現場のメンバークラスがターゲットでして…」などということもしばしば。

これは候補者のみなさんからすればゴールポストが移動したりサイズが急遽変わったりするようなもので、少なからず不確実なものです。たまったものではないとも言えます。

しかしながら、どちらもコントロールできるものではありません。
採用選考とはいってもみなさんが難関を超えてこられたいわゆる入学試験や資格試験という類のものとはかなり異なるものと言え、その真っ只中におります私どもから見ますと、掛け声こそありませんがほぼ市場のようなものに思えるのです。

企業の募集の背景やそのポジションで何が期待されているのか、その理解の深化こそ大切
ご自身のこれからの中長期的にも大事なキャリアをどういったところで現実のものとしてゆくのか、そのためには気になっている企業の事業の現状や今後、そしてその社内の業務運用のあり方(カルチャー)など、立体的に捉えることが大切となってきます。
しかしながら、企業HPや求人票だけではなかなか…

あなたがご友人や家族と海外の見知らぬ街で食事や買い物を一定の時間内で納得できるように実行しなければならないとしたら(唐突ですみません)、
どうされるでしょうか?転職にあたっては実際にはほぼこういった中にあると考えてもあながち間違いではないと考えます。

こういったことはなかなかお一人では進めづらいものです。ご自身だけではなかなか知りえない要素もあるかもしれません。
そういった一つ一つのその方のご事情に合ったかたちでお役に立てることも、わたくしどもの大切な役割と考えています。

日頃より強い関係性や情報力そして幅広いネットワークにて皆様をご支援させていただいております、私どもウィンスリーへぜひお気軽にご相談ください。

回答者
T.K(シニアコンサルタント)