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デジタル転職Q&A

2024.12.13

29歳、慶應卒の大手メーカー営業職。転職を検討していますがどこのエージェントもコンサル会社を勧めてくれますが、正しい選択かどうか悩んでいます。

29歳、慶応卒の大手メーカー営業です。
給与も安く、昔ながらの営業手法でキャリアアップしている感じがしません。

エージェントに相談すると、絶対にコンサルにいったらよいと進められます。
しかし、コンサルはいろんなプロジェクトがあり、つらいだけで楽しめるのかが非常に不安です。

仕事は好きなのでできれば楽しい仕事をしたいと思っています。
学生時代は広告やエンタテイメントが好きでした。それでもコンサルをまずは目指すべきかアドバイスをください。

転職エージェントから「コンサルに行けば、どこでも通用する人材になれる」と言われることがあると思いますが、実はかなり短絡的な考え方だと思います。

まず、「コンサル」といっても実態は本当に多種多様です。
戦略コンサルもあれば、ITシステムの導入支援が主体の会社もありますし、中には「コンサル」と名乗っていても実質的にはシステムインテグレーターのような仕事しかしていない会社も少なくありません。

ですので「コンサル」と何となく言われているものや、ご自身で「コンサル」として解釈しているものが「本来のコンサルティングファーム」を指しているのかどうかという点についてシッカリと見極める必要があると思います。

その上で、相談者様の場合「楽しい仕事をしたい」という意向や「広告やエンタテインメントが好き」という興味領域がハッキリとしていますが、もしかしますとそれらはクリエイティブな仕事やユーザーの反応が直に分る様な仕事への親和性を示唆しているのかもしれませんね。

「本来のコンサルティングファーム」であれば確かにロジカルシンキングは鍛えられることになります。
でも、その代わりにクリエイティブな要素やユーザーの動きをありありと感じられる様な領域については限定的になってしまうという傾向があります。
特に若手のうちはデータ分析やドキュメント作成など、どちらかというと地道な裏方的な作業が中心になりがちだったりもします。

実際に私が最近お会いした20代後半の方で、目的を持ってコンサルティングファームにステップしたものの、想定していた領域と違うプロジェクトにアサインされ続けて悩まれているケースがありました。
この方の例で言うと、マーケティング関連のスキルアップを期待して入社したけれど、実際は公共系の案件ばかりに次々とアサインされてしまっており成果も上げることができているため、この先も公共領域のプロジェクトから抜けることが難しいという実態から、結果として2年ほどで具体的に転職を考えるようになった、といった具合です。

大切なのは初めから「コンサル」という選択肢に振り回されずに、先ずはご自身が「広告」「エンタメ」「クリエイティブ」「楽しい仕事」などの「手触り感のある仕事」を好む点をもっと大事にすることではないかと思います。
そしてそれらを実現できる環境で納得感を伴いながら自分らしく仕事で活躍し、自分らしく生きて行ける様にしていくことが重要かと思います。

ほんの一例ですが、よりクリエイティブ要素の強い事業会社のマーケティング部門や広告代理店のアカウントプランナーなども検討に値する選択肢になるかもしれません。
これらの職種であればマーケティングやビジネス的な視点も必要とされながら、クリエイティブな要素やユーザーの動きが分かる領域も含まれてきます。

いずれにしても「とりあえずコンサル」という安易な選択は避けた方がいいです!
「コンサル」での仕事やその先にキャリア展開について具体的にイメージできていない状態で飛び込むと、数年後に大きなギャップを感じてしまう懸念があるのではないかと思います。

そして、並行して広告業界やエンタメ業界などのキャリアパスの可能性についても情報収集してみてはいかがでしょうか。
きっとコンサル以外にも魅力的な選択肢が見つかるはずです。

自分らしいキャリア発展のための方法論については柔軟に捉えて固定概念に囚われずに発想していった方が良いと思っています。
そんな様々なご相談を受け付けていますので遠慮なくお問い合わせください。

回答者
瀧島一郎(キャリアコンサルタント(国家資格))