2026.01.16
ヤマハ発動機がデザインを経営の中核に据えていると聞きましたが、インハウスデザイナーとして働く魅力はどのようなところでしょうか。
グラフィックデザイナーとして制作会社で5年ほど働いてきましたが、クライアントワークの限界を感じています。
ヤマハ発動機は創業時から「デザインファースト」の企業文化を持ち、インハウスのデザイン組織もあると知りました。最後発メーカーながらデザインで勝負してきた歴史や、2020年のクリエイティブ本部設立など、デザインを戦略の中心に据えている点に惹かれています。
実際にインハウスデザイナーとして働く場合、どのような業務範囲でブランド価値向上に関われるのでしょうか。また、事業会社のデザイナーとしてのキャリアパスについても知りたいです。
ご相談いただきありがとうございます。
ヤマハ発動機のインハウスデザイナーとして働く魅力は、単なる「見た目のデザイン」を超えて、企業ブランド全体の価値創造に経営レベルで関われる点にあります。
同社は創業時、国内140社以上のバイクメーカーがひしめく中で最後発ながら、「デザイン」を武器に戦ってきた独自の歴史を持つ企業です。
第一号モデル「YA-1」では、当時の常識だった黒一色ではなく栗茶色という美しいカラーリングと七宝焼きのエンブレムを採用し、「赤トンボ」の愛称で愛される存在となりました。この創業時からのDNAが、今も企業文化として息づいています。
デザイン経営の本格化と組織の進化
ヤマハ発動機は長年、外部の著名デザイン会社に製品デザインを委託してきましたが、2012年に社内にデザイン組織を設立し、デザイン機能を内製化しました。
そして2020年には、プロダクトデザインだけでなくブランド推進機能も統合した「クリエイティブ本部」へと組織を再編し、デザインが経営の中核として位置づけられる体制を整えました。
ブランドデザイングループでの業務範囲
グラフィックデザイン経験者が配属される可能性が高いブランドマーケティング部のブランドデザイングループでは、以下のような多岐にわたる業務に携わります。
■コーポレートブランディング戦略の立案
ヤマハ発動機が大切にしている「感動」という価値を、どのように世の中に伝えるかという根幹の戦略を考えます。
同社は「感動創造企業」を企業目的に掲げており、単なる移動手段ではなく「楽しみの道具」「愛着の湧く相棒」としての情緒的価値を重視しています。この価値をどう可視化し、伝えるかがデザイナーの役割です。
■ビジュアルアイデンティティマニュアルの策定とブランドガバナンス
2025年には創立70周年を記念して企業ロゴをデジタル時代に最適化した新デザインへ更新するなど、ブランドの一貫性を保ちながら進化させる重要な仕事を担当します。
また、記念ロゴでは「挑戦はすべてのはじまり」をコンセプトに、創業時に挑んだレースのゼッケンをモチーフにするなど、歴史と未来をつなぐクリエイティブも手がけています。
■グラフィック、空間、ノベルティ、イベントなど、あらゆるブランド接点のデザイン制作・監修
横浜みなとみらいに2024年にオープンしたブランド発信拠点の運営にも携わり、電動アシスト自転車の体験提供からロボット展示まで、リアルな場でのブランド体験設計を担当します。
■グローバルライセンスビジネスの管理や、社内外へのブランド浸透活動
形があるものからないものまで、「ブランド価値向上に関わる全て」がデザイン対象となる、非常にスケールの大きな仕事です。
実際の仕事の手応えと裁量
制作会社でのクライアントワークと大きく異なるのは、「自分たちで戦略から考え、実行し、結果まで責任を持つ」という一気通貫の関わり方です。
例えば、70周年記念プロジェクトでは、「原点はレース」という点に着目し、当時の「赤トンボ」と呼ばれたバイクのカラーやスピリットを現代のコミュニケーション(新聞広告、駅ジャック、特設サイト、グッズ展開など)に落とし込み、歴史と未来をつなぐ大規模なキャンペーンを展開しました。
このような、企業の節目を彩る重要なプロジェクトに入社直後から関われる可能性があります。
また、社風として「まずはやってみよう」というチャレンジ精神が非常に強く、新しい企画や提案に対して上司や組織が背中を押してくれる環境です。
中途採用者が約半数を占めるため、社歴や年齢に関わらずフラットに意見が採用される環境だそうです。
プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、建築、プランナー、元代理店など多様なバックグラウンドのメンバーが集まっており、刺激的な環境で学び合える点も魅力です。
キャリアパス
キャリアパスとしては、ブランドデザイングループでのグラフィック・空間デザインからスタートし、ブランド戦略立案やプロジェクトマネジメントへとステップアップが可能なようです。
また、プロダクトデザイン部門やイノベーションデザイン部門への異動も可能とのことで、クリエイティブ本部全体で多様なキャリアを描けます。
グループリーダーや本部長といったマネジメント職への道も開かれています。
転職を検討される方へ
ヤマハ発動機のインハウスデザイナーは、制作会社でのクライアントワークとは全く異なる、「企業の顔を作り、ブランドの未来を描く」というスケールの大きな仕事です。
デザインが経営の中心にある企業で、自分のクリエイティビティを最大限に発揮したい方、単なる「作る人」ではなく「企業価値を創る人」として成長したい方にとって、これ以上ない環境と言えるでしょう。
ただし、「やりたいことがない」「指示が欲しい」というタイプの方には向かない環境です。自ら課題を見つけ、提案し、実行していく主体性が強く求められます。
ヤマハ発動機のクリエイティブ本部は、デザインの力で企業ブランドを高め、新しい感動を創造し続ける、日本でも数少ない「デザイン経営」の実践企業です。
グラフィックデザイナーとしてのキャリアに行き詰まりを感じている方、事業会社で本気のブランディングに挑戦したい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
ヤマハ発動機のようなデザイン経営企業への転職をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
あなたのキャリアの可能性を一緒に広げていきましょう。
■関連求人
・デザイナー_アートディレクター/コミュニケーションデザイナー(クリエイティブ本部)
※ご紹介している求人は2026年1月時点の募集求人です。時間経過と共にクローズになってしまうこともございますので、ご了承ください。最新情報につきましてはお問合せください。