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デジタル転職Q&A

2025.11.04

大きな予算規模で戦略から実行まで一貫して関われるインハウスのポジションに興味があるのですが、どのような企業を選ぶべきでしょうか?

総合広告代理店でBtoB企業を中心に5年ほどマーケティング支援を行ってきました。
展示会やイベント、Webプロモーションなど幅広い施策に関わり、マーケティングの全体像は理解できたと感じています。

 

一方で、代理店という立場上、予算規模が限定的なクライアントも多く、また施策の一部だけを担当することも多いため、「もっと大きな予算を動かして、戦略立案から効果検証までを一気通貫で担当したい」という思いが強くなってきました。
特に年間数億円規模のマーケティング予算を持ち、多様な施策を試せる環境で自分の実力を試したいと考えています。

 

ただ、インハウスに転職するにあたって、どのような企業を選ぶべきか迷っています。
成長企業の場合は予算が限られる可能性がありますし、大企業の場合は意思決定が遅く挑戦しづらいイメージもあります。
代理店で培った経験を活かしながら、大規模な予算を動かして成果を出せる環境に身を置くには、どのような基準で企業を選ぶべきでしょうか?

ご相談いただきありがとうございます。
代理店で培った幅広い経験を持つ方が、インハウスで大規模予算を動かしたいと考えるのは良いキャリアステップかと思います。

ご懸念の通り、企業選びは慎重に行う必要がありますが、いくつかのポイントを押さえることで、予算規模と挑戦機会を両立できる環境を見つけることができます。

大規模予算を持つ企業の見極め方
まず重要なのは、マーケティング投資に積極的な企業文化があるかどうかです。
単に企業規模が大きいだけでなく、「マーケティングを成長ドライバーとして位置づけているか」が鍵になります。

具体的には、以下のような特徴を持つ企業が候補になります。

・プロダクト主導で成長してきた企業
プロダクトの価値が確立されており、次のフェーズとしてマーケティング強化に本腰を入れている企業は、予算も潤沢で挑戦機会も豊富です。
BtoB SaaS・IT業界:サブスクリプションモデルのビジネスでは、新規顧客獲得とアップセルの両方が重要なため、継続的に大規模なマーケティング投資が行われます。

・市場でのポジションが確立されている企業
ある程度のシェアを持ち、売上基盤が安定している企業は、マーケティング予算を「コスト」ではなく「投資」として捉える余裕があります。

意思決定スピードと挑戦文化の見極め方
大企業特有の「意思決定の遅さ」を懸念されているのも理解できます。
しかし、すべての大企業がそうとは限りません。

特にIT・SaaS企業や創業者がまだ経営に関与している企業は、規模が大きくても意思決定が早く、挑戦を後押しする文化を持っていることが多いです。
また、マーケティング組織が機能別に分かれている企業では、それぞれのチームに予算と裁量が与えられており、現場レベルでスピーディーに施策を実行できるケースもあります。

面接の際には、「マーケティング予算の意思決定プロセス」や「新規施策の承認にかかる期間」などを具体的に質問してみると良いでしょう。

戦略から実行まで一貫して担える環境の見極め方
代理店では施策の一部だけを担当することが多かったとのことですが、インハウスでは戦略立案→予算配分→実行→効果検証→改善提案までを一気通貫で担当できるポジションが理想です。
特に、マーケティングプランナーやマーケティングマネージャーといった職種では、単なる実行担当ではなく、予算を持って自律的に施策を企画・推進できることが期待されます。

求人票の「業務内容」欄に、「予算管理」「戦略立案」「KPI設計」といったキーワードが含まれているかを確認するのも一つの目安です。

具体例:Sansan株式会社のマーケティング組織
こうした条件を満たす企業の一例として、Sansan株式会社のマーケティングポジションがあります。
Sansanは名刺管理サービスで国内シェア84%を誇るトップ企業であり、年間数十億円規模の広告予算を持っています。
同社のマーケティング組織は、デジタル施策を担う「オンラインプロモーショングループ」と、大企業向けのオフライン施策を担う「エンタープライズマーケティンググループ」に分かれており、それぞれが大きな予算と裁量を持って動いています。

特にエンタープライズマーケティングプランナーのポジションでは、従業員1,000名以上の大企業向けに、自社カンファレンス(3,000名規模)、大規模展示会、ゴルフイベント(KBCオーガスタなどとのタイアップ)といった多様な施策を企画・実行します。
戦略立案から当日運営、効果測定、次回への改善提案まで、すべてのプロセスを担当できるため、代理店で培った経験を最大限に活かせる環境です。
マーケティングプランナー[Sansan/エンタープライズ領域]

また、Webサイトプランナーのポジションでは、年間数億PVのSansanサービスサイトの企画・運用を担当し、Google Analytics 4やKARTE、Mouseflowといった最新ツールを駆使してデータドリブンな改善活動を推進します。
こちらも予算規模が大きく、SEO、UI/UX改善、LP制作など、多様な施策に挑戦できる環境です。
Webサイトプランナー

挑戦を後押しする文化
Sansanは創業19期目の企業でありながら、「挑戦を後押しする文化」が根付いています。
過去にも「やりたいことがあれば手を挙げてほしい」「失敗を恐れずに新しいことに挑戦してほしい」というメッセージが繰り返し語られており、大企業でありながらスタートアップのようなスピード感と挑戦機会を持っています。

実際にマーケティング部のマネージャー陣は30代前半が中心で、若手にも大きな裁量が与えられとのことで、意思決定プロセスも明確で、現場レベルで提案した施策が迅速に承認されるケースが多いとのことです。

上記のような環境が叶うポジションは決して多くはございませんが、代理店で培った経験を存分に発揮しながら、さらに大きなスケールでマーケティングに挑戦できるはずです。
Sansanのようなトップシェア企業でも、予算規模と挑戦機会を両立できる環境は存在します。

ウィンスリーではポジション選びから面接対策まで、きめ細かなサポートを提供しています。
これまでのご経験やキャリアビジョンをお聞かせいただきつつ、最適なポジションのご提案や、組織文化へのフィット感についてもアドバイスさせていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。

※ご紹介している求人は2025年11月時点の募集求人です。時間経過と共にクローズになってしまうこともございますので、ご了承ください。
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回答者
藤並克充(シニアコンサルタント)