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デジタル転職Q&A

2023.08.10

某大手人材エージェント経由で20社エントリーしましたが1社も書類通過せず…一度エントリーした企業は今後もエントリーが厳しいと聞き、非常に後悔しています。

大手ポータルサイトの広告営業に5年従事し、事業会社のマーケティングに行きたいと思い、某エージェントに登録しました。
マーケティングに強いということと可能性もあるとのことでして、他のエージェントは断るように言われました。結果、その1社にお任せしましたが20社エントリーして1つも書類が受からず途中で連絡も途絶えてしまいました。

事業会社マーケは人気があるので数多くエントリーしないといけないとのことでしたが、一度NGになると今後も受け直しが難しいと聞きますし、かなり後悔しています。
どうすれば良かったのかアドバイスをいただけますと幸いです。

ご状況につきまして了解しました。
残念ながら昔からエージェントを用いた転職活動においてよく耳にする話です。
かつて瀧島もそれなりに転職を繰り返してきていましたが、当時からその様なケースをよく見聞きしてきていました。

いろいろと紐解いていければと思います。
まず確認ですが、相談者様がお持ちの再現性の高いご経験・スキル・ご実績と、これまでエントリーしたポジションのニーズは、どの程度マッチしていましたでしょうか?

中途採用とは、企業側に足りていないモノや足りていない部分があり、それを埋めることができる経験・スキルを持った人材を外から呼び込んでくる行為と言えます。
わざわざコストをかけて行う以上、(未経験可というポジションではない限り)即戦力を求めてきますので、企業側としてまずは新しい環境下でのその再現性だけをチェックしてきます。
この部分が成立していないと選考を通過していくのは難しいと言わざるを得ませんがいかがでしたでしょうか?

合わせて、採用する側のマインドをイメージしていただければ理解しやすいと思いますが、「これをやりたい」「こうなっていきたい」「これができるはず」という裏付けのない(*)候補者側のWILLが先行した応募ですと、上記のロジックからすれば書類の段階で弾かれてしまって当然と言えますが、この辺りもいかがだったでしょうか。

*ご経験・スキル・ご実績という事実として積み上げて来られたものに対しては新しい環境下での再現性について客観的にも担保できるものと解釈することができますが、実態がなく概念でしかない「WILL」についての再現性をロジカルに証明することは誰にもできません。

また履歴書・職務経歴書のブラッシュアップは適切に行っていましたでしょうか?
先述にも関連しますが、企業やそのポジションが求めているニーズに対して再現性の高いご経験・スキル・ご実績で応えられるということをロジカルかつ端的に表現できていないと書類選考は通りません。

もちろん、同じような職種であっても企業やポジションによってニーズはまったく異なりますので、エントリーするポジションごとに職務経歴書のチューニングが必要であることも理解いただけると思いますが、いかがでしたでしょうか?

果たしてそのエージェントはこれらの様な基本的なことに気づかせてくれていましたでしょうか?

瀧島自身のかつての転職活動における実体験からしますと、
●うちの内定率は〇%だから〇〇社以上エントリーしないと1社の内定が取れない。
●(もっともらしい理由をつけて)だから沢山応募しないといけない。
●早くしないと求人が無くなってしまうから急いでどんどん応募しないといけない。
●履歴書・職務経歴書はブラッシュアップしなくて良いから応募を急いで!
●(プロセス上のどんなフェーズであっても)とにかく早く早く!
●(内定が出たら)内定が取り消されちゃうから一刻も早く受諾して!

など、数の理論で語ってくるエージェントやとにかく急かしてくるエージェントには要注意です。

これは、エージェント側のビジネス都合が何よりも優先されてしまっていて、候補者の方が単に数の「1」に成り下がってしまっている状況と言えます。
人材紹介ではなく、いわゆる「人材流通業的エージェント」に多い傾向だと思います。なので自分たちの都合に合わなくなった方に対しては連絡なんてもうしてきません。

そして考えてみてください。
転職検討や転職活動は、候補者の方(およびご家族)の人生に大きく関わる「転機」の話です。

納得感が高く腑に落ちる活動とするには、まずは徹底的に自己理解を深めた上でご自身の価値観で判断し、ご自身でイニシアチブをとりながら進めることが重要となります。
ですので、こんな前提の在り方で真摯に向き合いながら支援してくれるエージェントと進めて行くのが良いと、これまた瀧島の実体験も交えて痛感しています。

また、多くのエージェント(特に総合系のエージェント)は、その業界の窓口として「担当」しているだけで、その業界に通じているケースは非常に少ないです。
弊社はヘッドハンターが10人程度しか居ない小さな所帯ですが、全員が10年~30年以上、デジタルマーケティングやデジタル領域で実際に仕事をしてきているメンバーで構成されておりますので、その業界についてトレンドや動向も含めて熟知しており、その業界内の人的なネットワークも豊富なので、他のエージェントではできない情報提供やネゴシエーション、さらには実体験から培われたセンスでのコンサルテーションができることが最大の付加価値となっております。

候補者の方の人生に向き合いながら専門性の高いナレッジで支援を行っているエージェントは弊社以外にもありますので、その様なエージェントを探してリレーションしていくのが良いと強く思っています。

※かつての自分自身の転職活動でも、その様なスタンスを持つ専門性の高いエージェントに支援いただいたおかげで、納得感が高く未来の成長につながる転職ができたという実際の成功体験があります。

転職活動にシッカリ向き合うことは、時間的・精神的・肉体的な負担がとても大きいです。仕事をしながらだとなおさらです。
にもかかわらず多くの社数を納得感なく受けさせられることで、結果的に破綻し、意にそぐわない転職に落着し、結果的にキャリアを台無しにされてしまっているケースをよく目にしますし、実際にその様な方々からご相談をいただくことも非常に多いです。

人材流通業的なエージェントとのリレーションは早々に断ち切り、人生の転機に真摯に向き合ってくれて、高い専門性を持ち、そして候補者の方の再現性の高いご経験・スキル・ご実績を起点として、どの様に成りたい自分に成っていくのかというWILL実現のためのキャリア戦略を長いスパンで一緒に検討・支援いただけるようなエージェントと出会い、進めていくことこそが解だと強く思いましたが、いかがでしょうか?

回答者
瀧島一郎(キャリアコンサルタント(国家資格))