広告業界最大手の電通では、近年正社員雇用を前提とした中途採用を本格化させており、新卒での入社が叶わなかった方や、他の業界での経験を活かしたい方にとって大きなチャンスといえます。そこで本記事では、電通の中途採用の選考内容や人物要件などを解説します。
目次
電通の会社概要
電通は言わずと知れた国内最大手の広告代理店であり、従業員数5,627人(2022年12月末日)、売上総利益は1兆1,170億円、営業利益は1,176億円(ともに2022年)を誇ります。
創業は1901年と非常に長い歴史を持ち、日本の広告事業を長年にわたりリードしてきました。
従来からの強みである大手メディア向けの事業に加え、後述のIGPに代表されるように、社会のデジタル化に対応した広告開発、マーケティング基盤の変革、さらに顧客事業そのものの変革までをトータルに推進しています。
電通の中途採用の背景
電通が中途採用を本格再開した理由
これまでの電通では、中途採用は契約社員としての雇用が基本であり、正社員採用を積極的に行っていませんでした。しかし、2020年頃から契約社員雇用を前提とした採用がほぼなくなり、現在は正社員の中途採用を積極的に行っています。
その背景として、DXをはじめ世の中の動きが目まぐるしく変化し、企業が抱える課題も複雑化する中で、多様な知見や経験をもとにそうした課題を解決できる人材を幅広く確保する必要性が高まってきたことが挙げられます。
そうした複雑化、高度化した世の中の課題を解決するために電通が目指しているコンセプトが「IGP」(Integrated Growth Partner)です。
IGPの概要
IGPとは、クライアント企業と社会の持続的成長にコミットする電通の姿勢を示すコンセプトのことです。従来電通が得意としてきた広告やマーケティング領域のみならず、さまざまなテクノロジーやアイディア、実行力をもとに、経営戦略や成長支援にまで事業領域を拡張し、統合的なソリューションを提供することを目指しています。
こうした理想を実現するために、電通では以下の4つの事業領域を設置し、顧客企業の変革を支援しています。
領域 | 概要 |
---|---|
AX(アドバタイジングトランスフォーメーション) | 高度化された広告コミュニケーション |
BX(ビジネストランスフォーメーション) | 事業全体の変革 |
CX(カスタマーエクスペリエンストランスフォーメーション) | お客様体験の変革 |
DX(デジタルトランスフォーメーション) | マーケティング基盤の変革 |
電通中途採用の選考プロセス
※一般的な選考プロセスです。ポジションや経験数によってプロセスが変更する場合がございますのでご注意ください
書類選考
希望する職種を選択し応募書類を提出した後、書類選考を行います。選考通過の連絡は書類提出後おおむね1か月以内にあります。
同時に複数職種への応募はできません。
一次面談
電通は「面接」ではなく「面談」と呼びますが、実際は採用面接と同じです。
リモートにて面談を行います。
スキルとパーソナリティの両面から判断します(二次面接以降も同様)。
適性検査
一次面談通過者に対し、Web適性検査を自宅で行います。その後、適性検査とは別にキャリアコンサルタントによる面談もおこないます。外部コンサルタントによるコミュニケーションでして、ここは合否のない「面談」です。
二次面団、(三次面談)、最終面談
リモートもしくは来社によって面談となります。一次面談から最終面談にかけて現場の責任者が担当するのが通常となります
内定
最終面談通過者に書面にて採用条件が通知されます。
なお、書類選考から内定までの所要期間は約2〜3か月となり、他企業よりは少し長めとなります。
併願されている場合は、応募のタイミングをうまく調整されることをおすすめします。
応募資格と難易度
異業種からの応募も可能
電通のキャリア採用では、広告業界以外の異業種からの応募も可能であり、多様な人材を積極的に採用しています。
具体的には通信会社やSI企業等にて高単価・中長期の無形商材を扱ってきた法人営業経験者やマーケティング部門出身者、コンサルティングファーム出身者などが主な候補となります。
就職難易度は依然高い
幅広い業界出身者向けに採用の間口が広がっているとはいえ、採用のハードルが下がったわけではありません。
たとえばプロジェクトの推進や社内変革を周りを巻き込みながら主体的に実行できる能力や、障害を乗り越えられる柔軟性、中長期的にクライアントに伴走できる能力などが求められます。
IGPへの共感と実務経験は必須
電通はIGPの実現に本気で取り組んでおり、それを体現できる人材を求めています。そのため、IGPの理念に共感し、高い熱意と行動力でクライアント企業の成長にコミットできる姿勢を示すことが何よりも重要です。
また、IGPの実現に必要な実務経験も必須です。たとえば営業職のビジネスプロデューサーの場合、コンサルファーム出身であれば事業変革やクライアント企業の成長に最後まで伴走してきた経験、事業会社で予算を確保しながら関係部署を巻き込み企画を実行してきた経験などが求められます。
電通において求められる人物要件
応募職種に関する実務経験
応募職種に関する実務経験は必須です。希望するポジションの応募要件に必要な経験が記載されているので、事前に確認しておきましょう。
各ポジションの応募要件や求人情報は下記よりご確認ください。
電通 | DX・デジタルマーケティング専門人材会社 ウィンスリー
課題解決能力
IGPを掲げる電通ではクライアントの課題解決が何よりも重要であるため、コアとなる課題を発見し、解決に向けた道筋を描き、それを実行できる能力は必須です。
自身・自社の課題というよりも、他者/他社の課題解決に情熱を持てる方、またそうした課題解決の実績・経験を持つ方が向いています。
社内外との連携が積極的にできること
プロジェクトの推進にあたっては、社内のメンバー・関係部署のみならず、クライアント企業や外部パートナーとの連携も不可欠です。そのため、目標に向かって多様な関係者の目線を合わせ、他者を巻き込めるコミュニケーション能力、連携能力が求められます。
電通と合わせて検討できる企業
電通デジタル
電通グループの一員であり、国内最大級のデジタル系総合代理店です。同じグループですが併願は可能であり、当たり前ですが、子会社に応募状況の情報が流れることはありません。
近年はデジタル広告領域のみならず、デジタルにクリエイティブも掛け合わせ、クライアント企業の成長や事業変革を支援する「総合デジタルファーム」へと進化を遂げています。
博報堂
電通に次ぐ国内第2位の総合広告代理店です。ターゲットを消費者としてではなく、消費を含めたあらゆる行動を主体的に行う「生活者」として捉える「生活者発想」を強みとしています。
また、多様な個性を持つ人材がチームを形成することで新たな価値を生むという「粒ぞろいより粒違い」という人材育成の方針を掲げている点も特徴です。同様な職種を求めています。
アクセンチュアソング
大手外資系コンサルティングファームのアクセンチュアは、マーケティング・クリエイティブ領域にも進出しています。その領域を担う部門がアクセンチュアソングです。
生活者との共鳴を通じてクライアント企業の持続的成長を目指す「Life-centric Buissiness」を標榜しており、多様なスキルを持つ人材がワンチームとなり事業変革にコミットしています。
電通の注目求人
求人1:【CX】デジタルCXプランナー
ブランドが顧客に提供する真の体験価値を、購買データや行動データなどの実データを活用したプランニングにより実現するポジションです。ターゲットのプロファイル分析やインサイトを起点に、カスタマージャーニーにおけるデジタルCXの戦略プランニングと実施のプロデュースを行います。
マーケティング戦略立案やデジタルプロモーションのプランニング・プロデュースの経験などが求められます。
株式会社電通 / 【CX】デジタルCXプランナー
求人2:【AX】マーケティングプランナー
クライアントの商品やサービスが売れ続けるための仕組みの戦略・戦術の策定、実装や実行への並走、改善策の策定をリードしていきます。事業会社(特にマーケティング部門)出身者向けのポジションです。
マーケティングに関する豊富な知識と経験が求められます。
求人3:【BX】BXコンサルタント
電通ならではのケイパビリティ(マーケティング/クリエーティブ/デジタル)とアセット(ネットワーク/コンテンツ)を活用して、顧客企業の変革(事業変革/組織変革)を推進するポジションです。複雑なビジネス課題と向き合い、解決方法を探り、クライアントの変革を共創プロジェクトとして推進していきます。
3年以上のコンサルティング業務経験、あるいは事業会社での事業開発、事業変革の経験などが求められます。
電通への転職ならウィンスリー
今回は電通デジタルのクリエイティブ領域についてご紹介しました。
電通はIGP実現のため、従来の広告・マーケティング領域にとらわれず多様な経験を持つ人材の採用に向けて積極的に動いています。特にデジタルやITに強い人材を求めており、最近では大手コンサルティングファームからの入社事例もあります。
ウィンスリーでは、電通への転職支援をしております。
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