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デジタル転職Q&A

2025.03.25

電通や電通デジタルなど大手代理店も、ポテンシャルによるポジションが増えてきているように思います。この背景と転職を成功させるポイントを教えてください。

現在新卒4年目の大手メーカーの営業を行っています。

仕事は順調に売上もあげていますが、工場への営業が中心で、もっと手触り感のある広告やマーケティングの仕事に携わりたいと思っています。

電通や電通デジタルなどもポテンシャル求人を最近よく見かけますが、この背景と転職を成功させるポイントをおしえてください。

そうですね。確かに最近、ポテンシャル採用という言葉をよく耳にするようになりました。
以前と比べても異業種からの転職のチャンスは広がってきているようです。
とはいえこの場合の「ポテンシャル人材」とはどのようなことと考えればよいのでしょうか?今回はこのあたりから考えてまいりますね。

ご存知の通り、2025年に入って電通や電通デジタルなどでも別枠でポテンシャル(業種未経験)の採用枠を設定しており、積極的な採用を前提に活発化させています。
それはキャリア採用といえば即戦力一辺倒だった採用基準に変化が生まれ、より柔軟で長期的な視点に移行していることを意味しています。
この変化には明確な理由があるように思います。

まず、企業側が「即戦力」という言葉の意味を、かなり深く考え直すようになってきていることです。
実際には必要な部署に即戦力人材がしっかりと加われば目先の仕事は確実に片付いてゆくものです。
でもね、考えてみてください。そういった目先の仕事は、実は外部リソースを活用すれば十分にこなせるものなんですよ。

企業が本当に欲しいのは、その会社と一緒に成長してゆける人材なんです。
5年後、10年後を見据えたときに、会社の変革や成長に伴走してくれる。そういう人材がいま、強く求められていると考えています。

また、ビジネス環境の急速な変化も、この傾向を後押ししています。
広告業界に限らず広く人間を取り巻くコミュニケーションに関わるデジタル化やグローバル化により、求められる能力は常にアップデートされるもの。
そのため、企業にとってはとくにキャリア採用の選考を進めるにあたって現時点での必要条件を満たす固定的なスキルセットというものよりも、変化に適応し新しい価値を生み出せる人材が重要視されるようになってきました。

ただし、これは非常に重要なポイントなのですが「ポテンシャルがある」というだけで誰でもいいわけではないんです。
実は、私が見てきた限り、ポテンシャル採用で成功している人には、いくつかの共通点があります。
その中で2点ほど挙げてみます。

1つ目、ご自身のこれまでの取り組みを俯瞰的に捉えて再構築し、「成長の証」として前向きにお話ししていただけることです。

2つ目、入社後の「伸びしろ」がイメージできることです。
やや抽象的ですので、言い換えますと具体的な成果に加え、その過程での学びや気づき、さらには新しい環境でどのように貢献できるか、そして何より、組織の中で価値を生み出すための実践的な経験を持っていてそこを自分で語れること。
もちろん業種や取り組むビジネスの種類やテーマなどは異なっていても問題はありませんが、これは非常に重要なポイントです。

さすがに「ポテンシャルのかたまりです」「やる気があります」「活躍する自信があります」という言葉だけではその選考も立ち行かないことになります。
採用企業側からすれば、その人と一緒に10年先を走っていけるのか、その判断が難しいわけです。

私がいつも申し上げているのは、とくに面接ではまず自分の経験を「成長の物語」として説明できるようになることです。
単に「こんな仕事をしてきました」ではなく、その過程で何を学び、どう成長したのか。そして、その経験を新しい環境でどのように活かせると考えているのか。
ここをロジカルに生き生きとお話しできることが必要なのです。

「なぜこの業界・企業なのか」「どのように貢献していきたいのか」について、具体的なイメージを持って臨むことが重要です。
企業側は、まさにその人と一緒に未来を創っていけるかどうかを見極めようとしているのです。

実は、これは若手だけの話ではありません。
むしろ、キャリアを重ねた方だからこそ、これまでの経験を基盤にした「成長の可能性」をしっかり示せる。
そこに大きなチャンスがあると、私は考えています。

結局のところ、企業が求めているのは、単なるスキルや経験だけではない、その企業と共に歩み、共に成長していける人材なんです。
ですから選考へ向けて真摯な姿勢をもって深く考え抜くこと、そして何より謙虚さを持っていることはとても大切になってくるのです。

そういう意味では、ポテンシャル採用は、より本質的な採用の在り方と言えるのかもしれません。

こういったことはなかなかお一人では進めづらいものです。しっかりとした壁打ちの必要な場面もございます。ご自身だけではなかなか気づかない要素もあるかもしれません。
そういった一つ一つのその方のご事情に合ったかたちでお役に立てることも、わたくしどもの大切な役割と考えています。

日頃より強い関係性や情報力そして幅広いネットワークにて皆様をご支援させていただいております、私どもウィンスリーへぜひお気軽にご相談ください。

回答者
T.K(シニアコンサルタント)