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デジタル転職Q&A

2025.02.12

運用型広告のスペシャリストが考えるべき、AI時代のキャリア選択とは?

運用型広告のスペシャリストとして7年のキャリアを積み、現在は大手アカウントの運用責任者として5名のチームマネジメントを担当しています。
社内での評価も高く、他メンバーより高い給与をいただいていますが、AI技術の進化により運用業務の自動化が進む中、将来への不安を感じ始めています。

転職市場を見ても、自分の経験が活かせる求人の多くは運用型広告関連であり、同じ課題に直面することが予想されます。
このまま専門性を深めるべきか、あるいは新たなキャリアを模索すべきか。今後のキャリア形成について、アドバイスをいただけますでしょうか。

これまでも時代の推移と共に無くなってしまった職種や必要性が薄れてしまった職種が数多くありました。
昨今では「今後〇〇年以内に無くなる職種」の様なタイトルの記事をよく目にする様になっていますが、今後もそういったことは起こり続けていきます。

職種は世の中の経済活動に即して生まれ、存在し、やがて無くなっていくというライフサイクルになっています。
そして「職種の価値」は下記の通り「その時代のニーズ」と「そのスキルを持つ人数」に相関していると言えます。

⇒とあるニーズが大きくなれば「とある職種の価値」は上がります。
⇒そのスキルを持つ人数が増えると「とある職種の価値」は下がります。
⇒そのスキルを持つ人数が増えているにもかかわらず、
 とあるニーズが下がってくると「とある職種の価値」はさらに下がっていきます。

少し前までは「とあるスキルを持つ人数」だけだった部分に、今では「AI化・機械化」という要素がプラスされて、急激に増えてきています。

⇒そのスキルを持つ人数が多い状態にもかかわらず、
 AI化や機械化が急激に進むと「とある職種の価値」は急激にさらに下がっていきます。

とある職種のスキルを持つ人数が増えるということは「代わりにその作業ができる代替者が沢山いる=すぐに替えがきく(替えが居る)」ということになるので相対的に待遇も下がってきます。
さらに今はAI化・機械化でその傾向に拍車がかかっています。

というこれらの事実を背景として、現在お持ちの再現性の高いご経験・スキル・ご実績が、現在および未来において、どの程度の価値となっているのか(価値となっていくのか)については、世の中のニーズの変容も捉えながら客観性高くクールにシビアに観ていくべきです。

合わせて、企業のサイトなどでは実際の機能や能力より高く広く事業内容を表現していることが一般的に多いと思います。
さらに企業内での社員同士の普段のやりとりの中で、自分たちがやっている仕事に対して実際の機能や能力とはかけ離れた表現をしてしまっている様なことも多いと自身の実体験も含めて感じています。

例えば…
⇒制作部分を担っているだけなのに戦略エージェンシーと銘打っている。
⇒プロモーション領域をやっているだけなのにマーケティング会社と言っている。
⇒クライアントワークをしているだけなのにコンサルティングをしていると言っている。
⇒戦術領域を扱っているだけなのに上流をやっていると言っている。
 などなど。

これらは分かりやすくするために極端に書いている部分もありますが、「考慮の足りていない安易な言葉選び(反応的なそれっぽい言葉選び)」で刷り込みや思い込みが増幅されてしまっていることで、事実ではないにも関わらず「自分は高度な事をしている」という様に自身のスキルの実態を客観的に捉えることができていない方が多いと実感しています。

思い込んだまま転職活動に突入することはリスキーです。
自分のスキルについての実態を正しく理解し、市場やニーズの推移・変容についてもシッカリと把握しながらキャリアを検討していくことが必要です。

まずは自己理解を深め身の丈を知って「自分のリアル」をちゃんと見極め、その上で未来に向けて最善の一歩を選択していただければと思います。

ひとりで「自分のリアル」を見極めていくことや市場・ニーズの変容・推移を掴んで行くことは容易ではないと思いますので、そんな時はいつでも遠慮なくお声がけください!
喜んで会話やディスカッションさせていただきますので!!

回答者
瀧島一郎(キャリアコンサルタント(国家資格))