2024.04.17
戦略コンサルタントとして10年。将来的には事業を作る立場になっていきたいと考えているのですが、どのようなキャリアプランが良いでしょうか?
業務および戦略コンサルとして10年やってきました。マネージャーとしての経験もあります。
30代後半に差し掛かったこともあり、改めてキャリアについて考え直しています。
将来的には事業を作っていくことや事業責任者として活躍したいという目標がありますが、どのようなキャリアプランが良いでしょうか?
キャリアプランに関してお問い合わせありがとうございます。
戦略コンサルタントとしての10年間の豊富な経験と、マネジメント経験は、将来的に事業を立ち上げ、運営するうえで非常に価値のある財産になります。
事業を作り、それを成功に導くためには、戦略的思考、プロジェクトマネジメント、チームリーダーシップなど、あなたがこれまでに築き上げてきたスキルセットが重要な役割を果たします。
ただ、現在において事業責任者として活躍していくためには、いくつかの専門領域を越境していく人材になることが大切だと思います。
具体的にはBTC人材を目指すことをお勧めしたいと思います。
BTCとはビジネス、テクノロジー、クリエイティブの頭文字で、著書「イノベーションスキルセット」の中で田川欣哉氏が定義しています。
現在はテクノロジーの進化が著しく、同時にこの活用がサービスやプロダクトの成否を左右する要素になっています。
ちょっと大げさに言えば、ほぼテクノロジーの活用なしにビジネスを立ち上げる事は不可能となっています。
よってこのテクノロジーへの理解や素養はどんどん重要性が増しています。
では経営戦略を理解して、テクノロジへの理解があれば、それで足りるかと言えば、それでも充分ではありません。
素晴らしいテクノロジーを実装したプロダクトやサービスであったとしても、ユーザにその良さが伝わったり、使いやすかったりしなければ結局使われないと言うことになってしまいます。
顧客の細かい理解や、それに基づく体験の設計が大変重要になっています。
ここで活躍するのがクリエイティブな要素です。
最先端のテクノロジーとユーザをつないでいく役割になります。
まるで毛細血管をつなぐようにつなぎ合わせないと、使ってもらえない時代が来ているのです。
それぞれの領域の専門家がいれば良いと言う話ではなく、専門家がいた上で、それらの専門性を越境して意思決定できる人が必要になっています。
これはそれぞれの世界観を理解していないと相手の主張を本当の意味で理解できないと言う構造があるためです。
よって最終的にはそれぞれ専門家の言うことをしっかりと理解できる人が必要ということです。
前段が長くなりましたが、では、そのような力をどうやって身につけていくか? ですが、我々はいくつかの企業に注目しています。
例えば、Accenture Song 、電通デジタル、博報堂などの企業です。
■Accenture Song
元々コンサルティングとテクノロジーの知見を持っていましたが、近年クリエイティブ領域の会社をどんどん買収して強化しています。Song本部は広告代理店ではないと彼らは言っていますが、広告代理店の売り上げランキングに乗せたとすれば、WPPに次いで2位のレベルまで大きくなっています。ちなみに電通グループは7位、博報堂グループは8位です。
■電通デジタル
元々強かったクリエイティブ領域に加えて、テクノロジー領域を強化した会社として2016年に設立され急激に成長しているグループの中でも成長著しい会社です。
近年コンサルティング経験者も積極的に採用しており、やはりビジネス、テクノロジー、クリエイティブを揃えてきています。
■博報堂
電通デジタルと同様の動きをしていて、元々強みがあったクリエイティブ領域に追加してテクノロジー人材、戦略コンサルタントの積極採用を近年続けております。
相談者さまは戦略コンサルティングの経験が長いので、その知見を持ちつつ、上記のような企業でテクノロジー領域とクリエイティブ領域の知見を得ることをお勧めしたいと思います。