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デジタル転職Q&A

2024.12.20

SaaS企業の人事から営業職へ転身した30代前半。限られたソリューション提案に悩み、再び人事領域でのキャリアを検討しています。

30代前半、SaaSサービスにて人事(採用)を経験したのちに営業をしています。

クライアントの課題解決に上流から携われていた時はとても仕事にやりがいを感じていました。

 

最初の1年は良かったのですが、課題解決に活用できるソリューションが自社サービスのみなので、提案できる幅も限られてしまい、そこに違和感を感じています。

経験のある人事に戻ろうか悩んでいます。アドバイス頂けますと幸いです。

ご相談ありがとうございます。
悩まれている様子が伝わってきます。

細かい様子は分からないのですが、悩まれている中には、実際何にご自身が困っているのかが明確ではないことも含まれているのではないでしょうか?

コーチングをしていても感じますし、転職を検討されている方々とお会いして感じるのは、人は自分が何に困っているのか?に、驚くほど自覚的ではないということです。

何となくご自身でも、これだけで転職を検討するってことにギャップを感じていて、それらしい理由を後から持ってきている人が多いように感じます。
これを伝えれば自分も周りの人もスッと納得してくれるような理由です。
でも、そうやって持ってきた理由には、どこか切迫感がありません。

転職はエネルギーのいることなので、よっぽどのことがない限り動き出そうとはされません。
生存本能的には今の場所にいた方が安心だと思っている限りはできるだけ、今の場所にいる理由を考えて、自分を説得し続けるので。
でも、それを揺るがすようなことが起こった場合に転職という選択肢が出てきて、実際に動きだすのです。
そこには、「怖さ」、「苦しさ」、「痛さ」があります。

前向きな転職だって同じです。
今のままいたら・・・・こうなっちゃう・・・・という強烈な怖さがあったり、窮屈さという苦しさ、痛みを感じているのです。
感じているけど、現実を動かせない自分にだんだん焦りを感じ始めます。
だから面倒臭いけど動き出すのです。

だから、私は面談の際に、それをシンプルに表現してもらうお手伝いをするようにしています。
最初にお話しを聴いて、この怖さ、苦しさ、痛さを感じ取るようにしています。
そしてそれをできるだけシンプルに表現して差し出してみる。
それをしっくりくるところまでやります。このプロセスを大切にしています。

理由はいくつかありますが、とても大切なのです。
「あ、そうか、これが私が転職活動をやり始めた理由なんだ」と自覚的になって初めて、この大変な転職活動のゴールが見えるからです。

本当は何に困っているか分からなければ、何を解決すればゴールなのか見えません。
ゴールが見えない活動は、満足に終わることは難しくなるでしょう。

表面的に自分で持ってきた理由は解決したように見えるけど、潜在的に持っていた理由は解決しないような転職先に決まっても、また同じことを繰り返すだけです。
だから、何を解決するといいのか?はとても大切です。

もちろん、面接に際しても、自分のことを理解して始める転職活動は力を発揮します。
説得力があるのです。面接官も人を見る訓練をしています。
何か違和感、薄っぺらさを感じ取るものです。自分も潜在的にそれを感じていたら、やっぱり出てしまいます。

少し長くなりましたが、ぜひ相談者の方には「私はいま本当のところ、何が怖いのか?苦しいのか?痛いのか?」にまずは向き合って明確にしていただきたいと思います。

ご自身でもできますが、人は面白い構造になっていて、話した相手が先にそれを感じてくれると、自分も感じられるという構造になっています。共感と言われるものです。
ぜひ一度お話しを具体的にお伺いできればと思います。

回答者
宮崎洋(キャリアコンサルタント(国家資格))