今回は、コンサルティング会社から事業会社へ転職する際のメリットや魅力を、最新の転職市場の動向をもとに詳しく解説します。
目次
コンサル会社から事業会社に転職するメリット・デメリット
まずは、コンサル会社から事業会社に転職するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
決定権があり自分で事業を推進できる
コンサル会社にない事業会社の魅力といえば、自分自身が事業のプレイヤーになれることです。
コンサルタントとして、考え抜いて戦略を作り上げても、それを実際にドライブするのは事業会社。特にこれまでのキャリアはコンサル一筋という方にとっては、実際に現場で自身がプレイヤーになって、事業を推進してみたいという思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。
自分が推進した事業が世の中に対する大きな価値提供を実現していることを実感できるのは、この上ないやりがいにも繋がります。
自社の実データを細部まで触ることができる
コンサルはあくまで発注を受けて、顕在化している課題の解決や事業の改善に必要な最低限の情報しか触れる機会がなかったという場合も多いでしょう。
しかし、事業会社で内部から事業に参画することになれば、当然、自社に蓄積されたデータを細部まで確認できます。
そこから、コンサルの立場からでは気付くことができなかった新しい発見が得られたり、データを活用した新規事業の立案ができるなど、事業会社ならではの魅力があります。
発注側に回ることでワークライフバランスが取りやすい
コンサルタントは、数ある職業の中でも特にハードワークを強いられる傾向にあります。
受け持つクライアントが増えると、業務負担も2倍,3倍と膨れ上がるコンサル業は、仕事一色となり、ワークライフバランスの乱れに不満を覚える方も多いのではないでしょうか。
まだ体力的に余裕のある若手のうちはともかく、年齢を重ねるにつれて体力が低下したり、結婚などの生活変化があったりと、仕事に対する向き合い方が変化していくこともあるでしょう。
それに対して、事業会社は業務が個に依存してしまうことも少ないためコントロールがしやすく、ワークライフバランスが取りやすい傾向にあります。
何より、事業会社はコンサルとは対極をなす「発注する側」。
コンサル時代には欠かせなかったクライアントに対して気を遣う場面も比較的少なく、体力だけでなく精神的な負担も軽減されます。
デメリット
給与水準がコンサルに比べて低い場合が多い
まずは給与面です。
コンサルタントは、先ほどご紹介した通り激務であるものの、事業会社に勤める同年代の人よりも濃密かつより高度な経験を積むことができます。その分、コンサルの給与水準は事業会社よりも高い傾向にあります。
しかし、事業会社に転職するとなると、入社後の給与の基準となるのは事業会社に勤務する同年代。つまり、給与はコンサル時代よりも下がる可能性が高いのです。
会社によっては、他業界からの転職ということで、入社直後は同年代よりも給与や処遇が低くなってしまう可能性もあります。
また、その後の昇給・昇格に関しても、コンサル時代とは会社の評価基準が違うことがほとんどで、その勝手に慣れて受け入れることに時間がかかる場合もあります。
専門領域に特化するため、他の領域への理解が進みにくい
コンサル時代は、クライアントの業界も限定的ではなく、多くの業界について広く浅く、時には深くアンテナを張って理解をすることが求められます。
一方で、事業会社に転職すると業界特化型で、例えば車メーカーに勤務すると、飲料メーカーのことはわからなくなるように、他の業界に触れる機会も必要もなくなってしまう傾向にあります。
会社に注力するためには、専門領域に特化する必要がありますが、業界問わずビジネスを幅広くみていきたい人にとっては、窮屈に感じる場合もあるかもしれません。
社内調整が煩雑になることが多い
コンサルは、クライアントに対して個で向き合う機会も多いことから、個人プレーが求められる傾向にあります。
一方で事業会社は、部署に所属して役割が明確に分かれているなど、組織単位で動く機会が圧倒的に多いです。
その結果、事業会社では部署ごとの隔たりがあり、意思決定ひとつとっても時間がかかることから、社内調整が煩雑になる場合が多くあります。
古く大きな会社は、数多くの部署が縦割りにあるため特に社内調整にパワーがかかってしまいます。
コンサル時代はすぐにできたことも、事業会社では上司の説得にもその後の手続き等にも時間がかかり、もどかしさを感じる方も少なくありません。
デジタル化・DXの流行による転職市場の変化
ここで、コンサルから事業会社への転職を後押しする、昨今のデジタル化・DXの流行による転職市場の変化をご紹介します。
コンサル会社から事業会社への転職ニーズが高まっている
もともとコンサル会社から事業会社への転職ニーズは高い状態でしたが、デジタル化・DXが求められる昨今、そのニーズがより高まっています。
その要因としては、下記の2つです。
- DXを推進するポジションの採用が積極化
- 外注せず社内に知見とノウハウを溜めて内製化が推奨される傾向にある
コロナ禍によって、社内の業務効率化と事業変革が求められる傾向になりつつありますが、社内にノウハウがない会社が多い状態にあります。
これを解決するために、多くの業界・会社を見てきたデジタルに強いコンサルポジションを採用して、最終的には全てを内製化できる状態にしたいという会社が増えているのです。
大手事業会社の中途採用が盛ん
先ほどご紹介したデジタル・DX人材の採用が活性化しているのは、中小規模の会社だけではありません。
これまで新卒採用が中心だった大手の事業会社も、ここにきて中途採用が活発化してきています。
例えば、サントリーは年間40~50名の中途採用を始めて、デジタル分野の強化を図っています。
大手事業会社の給与体系も柔軟
大手事業会社は、コンサルをはじめ外部から優秀な人材を迎えられるために、給与体系や働き方の制度を柔軟に変化させています。
給与面では、中途入社した直後でも前職から待遇が下がらないように、給与の初期設定を高くして、その後の昇給レンジを広くもつ。働き方では、リモート勤務を前提にして入社ができるように、働き方に関する制度を多く設けたりしています。
働き方の多様性も求められるいま、優秀な人材を確保するには、企業側がその人にとって働きやすい環境を用意することも必要です。
コンサル会社の転職で特にニーズが高いデジタル関連の職種
最後に、コンサル会社からの転職で特にニーズが高い職種をご紹介します。
※募集がクローズになっているケースもありますのでご理解ください。
DX推進(既存の業務改善)
まずは、社内の業務改善・効率化を目的としてDXを推進するポジションです。
いわゆる守りのDXといわれる分野で、2025年の崖問題など、社内のアナログのIT化を進めていくポジション。SAP、EC、SCM、管理領域など専門領域に分けているケースが多いです。
アサヒビール 国内システム統括部門 プロジェクトマネージャー
DX推進(新規サービスの開拓)
続いては、既存の概念を超えた新しいデジタルサービスを推進していくポジションです。
前述の社内のDX推進に対して、攻めのDXと呼ばれています。
西武ホールディングス デジタル経営(DX)推進担当
データマーケター&アナリスト
データマーケターやアナリストは、これまでの事業展開と施策によって蓄積されたデータをとりまとめて、新しい価値を社内に提供していくポジションです。
大手飲料メーカー データマネジメント/サイエンティスト/データストラテジスト
CRM担当
CRM担当は、会社によっても呼び方は様々ですが、MAを活用して自社CRM(顧客管理)の活性化をおこなうポジションです。
デジタルマーケター
デジタルマーケターとは、WEB広告、SNS、SEO対策、O2Oなどデジタルマーケティング全般をディレクションしていくポジションです。
まとめ
今回は、コンサルティング会社から事業会社へ転職する際のメリットや魅力を、最新の転職市場の動向をもとに詳しく解説しました。
まとめると、コンサル会社から事業会社に転職に向いているのは、
- 自分で事業をドライブさせたいと思っている人
- ワークライフバランスを取りたい人
- 1stデータを触りたい人
コンサルタントを経験してから事業会社に転職すると、ビジネスを一貫して見ることができる上に、自身のキャリアアップにも大きく寄与します。
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