デジタル専門転職エージェントウィンスリーでは、候補者登録の全体の約3割程度が、旧来型の総合広告代理店、デジタル専業代理店、デジタルメディア企業にて営業職としてご活躍されている方たちです。
※「デジタル」は、「ネット」「インターネット」「WEB」「オンライン」など総称
旧来型の総合広告代理店というのは、オフライン施策を中心に展開する広告代理店。
クライアントも長年ずっと一蓮托生でサポートしてきているような会社です。
もちろん総合広告代理店の営業職の方でも、デジタル広告・制作などに関わっている方が大多数となっているかと思います。
ただ、ウィンスリーが扱う大手企業の「デジタル人材ニーズ」は、候補者の方が持ち合わせている営業のみのスキルではマッチしないことが多くあります。
少々刺激的なタイトルですが、ぜひ総合広告代理店営業職の皆様には、従来のような「売る→発注する」といった 「売り切り営業」ではなく、企業ニーズの変化に伴う新しい営業活動を通じて、ご自身のスキル経験のアップを目指しましょう。
目次
旧来型の総合広告代理店の営業職の転職価値が上がらない理由
まずは、旧来型の広告代理店(以下、総合広告代理店)の営業職についてご紹介します。
かつては花形であり、就職人気上位であった総合広告代理店の営業職の価値がなくなってきているのは、TV、新聞、雑誌、ラジオなどのオフライン広告売上が鈍化しているから、という単純な理由だけではありません。
お分かりの通り、デジタル広告やソリューションの登場により、営業としての役割は大きく変わってきたり、既存の営業に求められるタスクが増えてきましたた。
既にご存知ではあるかと思いますが、少しおさらいをしてみます。
日本国内の広告費は見ると、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を含めたマスコミ4媒体広告費とインターネット広告が、2.2兆円とほぼ変わらない数字となっています。(2020年 「日本の広告費」電通調べ)
これだけデジタル広告が普及している昨今、総合広告代理店の営業の方であっても、デジタル広告を売ったことも関わったことも無いという方はいらっしゃらないでしょう。
稀に「デジタル広告を売っても儲からないので会社に評価されない」「会社として売る体制が無い」といった理由で転職志望理由を記載される方もいますが、いくらでも提案できる機会もありますし、クライアントにも求められているはずですので、自発性がなく言われたことしかできない方なのかな?と面接官に評価されてしまうこともしばしばあります。
デジタルマーケティング時代に求められる営業の変化
さて、良く登場する「デジタルマーケティング」という言葉。
弊社も便宜的に多用していますが、マーケティングの活動・施策がデジタル化しただけであり、マーケティングそのものです。
そのマーケティングという言葉自体の説明は今回は割愛しますが、デジタルによって変化した活動・施策を以下のように2つの領域に整理して考えます。
(1) マーケティング活動のデジタル化 → 顧客基盤など経営資源のデジタル化
(2) マーケティング施策のデジタル化 →制作物や広告・プロモーションのデジタル化
主に総合広告代理店は(2)を軸としてクライアント支援をしています。
で、そこにデジタル化したプロモーションを専業で支援するデジタル専業代理店が存在します。会社もメンバーも若く、機動力もあり、毎日広告運用のPDCAを回す、、じっくりと丁寧にクライアント向き合ってきた総合広告代理店の営業とは全く違うスピード感で動いています。良し悪しはありますが、クライアントもデジタル広告のみ 専業代理店に切り出すケースも数多くあるのです。
では、デジタルマーケティング時代の広告営業職には、何が求められるのでしょうか?
仕事の流れから見てみます。
- クライアントからのヒアリング
- プランナー・媒体担当・クリエイティブ制作チームと連携しながら提案の準備
- 見積もり作成
- 受注後は、代理店の責任者として広告が掲載されるまでチームを束ねる
- 広告掲載終了後は、実施完了レポートの作成をおこなう
デジタル広告登場により、ここから3点追加されるようになりました。
- 定期的な広告レポートの提出
- 広告の運用ディレクション
- GAなど測定ツールによる全体施策最適化案の提案 など
さらに、今はデジタル広告だけでなく、テレビ広告も実測ベースで視聴データを計測できる仕組みも出てきました。
また、電通も「ピープルドリブンマーケティング」を提唱し、広告効果を人ベースで追跡できる仕組みも整っていきます。
代理店側も広告受発注、掲載で以上終了ではなく、費用対効果をかなり厳密に求められるようになっています。
広告営業職は、広告掲載が始まった後も時々刻々と変化する効果をモニタリングし、適切に指示を行うことが必要になってきます。
また、クライアントが顧客とのタッチポイントで、どの様なコミュニケーションを行っていて、どの様な反応を示したかをモニタリングする事も重要です。
つまり、予算も大きく、手離れのいい広告代理店の商売が、デジタル登場によって超手離れの悪い商売になってしまっているということです。
機動力のあるデジタルに精通した専業広告代理店の後塵に廃してしまっている場面も数多くあるのではないでしょうか。
総合広告広告代理店の営業職のキャリアアップの方向性は?
このままじゃまずい、と思っている総合広告代理店の若手営業の方から、ウィンスリーへのキャリア相談を数多くいただきます。
方向は大きく4つありますのでまとめました。
但し、30代前半までの若手の方を想定していますので悪しからず。
1.新しいソリューションやビジネスを作る
歴史ある総合広告代理店は、デジタルに精通していない年配の方も多く、会社をどうイノベーションしてよいかわからないケースも数多くあるでしょう。
既にお達しもあるかもわかりませんが、新しいソリューションやビジネスモデルの構築を自社もしくはクライアントと進めていくのはいかがでしょうか?
比較的に年数の浅いデジタル広告代理店と比較して、資産は圧倒的にいまの広告代理店の方があるはずですし、仕事の進め方も、権限委譲を若手メンバーに一任してくれるケースも多いかと思います。
デジタルのソリューションやメディアを持っているベンチャーは、大手企業のアカウントをがっちり握っている広告代理店とのアライアンスはポジティブに進む可能性もあります。
そこで、0→1(立ち上げ)を行い、1→10(実績)は、ご自身のスキル経験に大きなプラスとなり、キャリアの方向性も大きく広がっていくことでしょう。
2.会社に関係なく新しい提案をどんどん仕掛けていく
デジタルのソリューション、メディア、アドテクなど、日々数多くの施策が出てきており、クライアント側も情報の収集は積極的です。
ここへの対策が遅れれば競合企業に差がつけられてしまうこともあります。
気づけばクライアント側の方が情報を数多く持っているということもあり、昔のように代理店側に情報があちらこちらから集まってくるということも少なくなってきています。
つまり、クライアント側も情報の門戸や提案は超オープン状態。
営業という機動力と俊敏なアンテナを駆使して、最新の商品やソリューションを仕入れてクライアントにどんどん提案していきましょう。
提案するのは無料なわけですからどんどんぶつけていきながら、今求められいるニーズを理解し、そしてまた提案してくということです。
そこで成果が出れば、ご自身の成果として堂々と経歴書に実績の記載をしましょう。
3.ベンチャーにチャレンジする
資金調達●●億円!と、ベンチャーの資金調達は活発であり、企業形態の大半は事業会社であります。
つまり、売る商品やサービスを持っているということ。こういった企業が成長する際に必ず直面する課題は、「営業」「組織マネジメント」です。
きっちりと年上の強面クライアントとのコミュニケーションが取れる営業はそういった企業に重宝されるでしょう。
マネジメントもやっていればよりプラスになるかと思います。
ただベンチャーですので、ここは従来の企業カルチャーはだいぶ異なってきますので、このあたりの情報はきちんと取りながら、ベンチャーで働くという腹落ちをさせることが必要です。
4.デジタルに強いエージェンシーやメディアに転職する
いままでの仕事の延長で考えるのであれば、デジタルに強いエージェンシーやデジタル系メディアへの転職が良いでしょう。大手などは毎月二桁~三桁の中途採用をしています。
ただし、文中でも話をしていますが、広告営業の成果をいくらアピールしても書類の通過は厳しいです。
従来の広告商品やサービスだけではなく、どういった新しい価値をクライアントに提供したのか、その結果は?自分がどこまでそれを手掛けたのか?など、単なるクライアントの窓口作業だけでは、転職も厳しくなるのはご想像通りです。
まとめ。総合広告代理店の営業職のキャリアについて
お話したとおりデジタルの登場により、オフライン中心の総合広告代理業だけではクライアントの課題の解決は非常に厳しくなってきています。
会社にも個人にもいままでのサービスに加えて、違った領域のものが求められており、売り切り営業の延長線ではありません。そのスキル経験だけで、通用する業界も少なくなってきています。
ただし、総合広告代理店は、いままでの歴史と信頼と、長年のクライアントがいます。
このアセットを利用した、新しい商品・サービスの開発、提案を積極的に行い、ご自身の経験値を上げていくのが良いかと思います。
その際の抵抗勢力や仕事のやりにくさも間違いなくあるでしょう。
しかし、それに臆することなく、クライアントのため、そして自分のためにぜひチャレンジしてほしいと思います。
結果、それが会社のためになるわけですから。
それには相当なパワーも時間も程度はどうであれかかります。
また会社の体力の程度もあるでしょう。
その場合は転職という新しいフィールドも検討されることをおすすめします。
ウィンスリーは、デジタルマーケティングに特化した専門のヘッドハンティング会社です。
過去の候補者のキャリアデータも数多くございますのでお問い合わせください。