明けましておめでとうございます。ウィンスリー代表の黒瀬です。
新年早々緊急事態宣言が発令させれ、慌ただしい年明けでございますが、医療関係従事者様、並びにそれにまつわる皆様には頭が下がる一方でございます。皆様に置かれましてもより一層のご自愛を下さりますようよろしくお願いいたします。
私共も角度は異なりますが、この難局を乗り切るべく、企業様・候補者様の人材ご支援を通じ、少しでも社会に活力が出るよう「三方良し(ウィンスリー)」の精神で尽力させていただきた存じます。
さて、昨年はコロナ禍の影響もあり、数多くの採用企業様よりデジタル、特にDXというキーワードでの採用ご依頼を数多くいただきました。今年もその流れは引き続くものと思われますが、候補者様のインサイトが大きく変わっていると12月の弊社アンケートデータからも数字が出てきております。我々のキャリアのアドバイスも従来とはトランスフォーメーションが必要だと感じております。(※アンケート調査アップし次第、リンクを掲載します)
さて、弊社ヘッドハンターより、2021年デジタル分野人材に関する業界別の簡単なコメントを集めましたのでご参考にされてください。
では本年もよろしくお願いいたします。
2021年1月
株式会社ウィンスリー
代表取締役 黒瀬雄一郎
目次
デジタル分野人材 採用動向①<大手事業会社編>
ナショナルクライアントやエンタープライズと呼ばれる大手事業会社(インターネットが出てくる前からあった産業の大手企業)の動向です。
コロナにより、2020年の春から夏にかけて一部企業を除いてほぼストップ状態となりました。
秋口から現在にかけて少しずつオーダーを頂くようになりましたが、以前とは状況が異なっている状況です。
具体的には「DX関連(IT企画・プロジェクトマネージャー・データサイエンティスト)」にニーズが集中してきています。キーワードしては、EC/MA/DMP/CDP/BI/OMO/AI・ビッグデータです。ビジネス部門・IT部門・マーケティング部門と調整しながら計画を立て、Sier等をディレクションしながらプロジェクトを推進していきます。特に最新テクノロジーに詳しい方をという事で、ナショナルクライアント・エンタープライズ出身者ではなく、コンサルティングファーム・システムインテグレーター・デジタルエージェンシー・インターネットサービス企業の方をターゲットにされています。
またマーケティング・プロモーション・デジタルマーケティングといった募集は、コロナ以後は殆ど見られなくなりました。もともと募集が少なかったのですが、既に一定揃っていたり、広告代理店からの常駐でカバーできていたり、上記DX人材を優先されている現況になっています。広告会社からナショナルクライアントへの転職を考えている方も多くいらっしゃるかと思いますが、事業会社であればインターネットサービス企業も視野に入れた方が宜しいかも知れません。
大手事業会社のDX系ポジション
・最大級小売流通企業のホールディング企業/IT企画・PM人材
・最大級小売流通企業のホールディング企業/AI・ビッグデータ人材
・最大手国内化粧品会社/Techを活用した体験型コンテンツのPM
・大手化粧品会社/CRM推進部_EC開発チーム、CRM開発チーム
・大手ハンバーガーチェーン本部/IT企画人材(EC・MA/DMPなど)
・大手通信キャリア/データ分析プラットフォームエンジニア
・大手通信キャリア/大規模ECサイトの企画・PM人材
・大手グローバル工機メーカー/Webディレクター
など
<記載:ウィンスリー 三谷 岳>
デジタル分野人材 採用動向②<デジタルサービス企業編>
デジタルサービス企業は、新型コロナの影響による巣ごもりで業績を伸ばしている企業も数多くあったようですが、世情が見えない状況でしたので、コロナ前後でグループ全体の採用を一時凍結、削減など求人が一気に減少しました。しかし秋以降回復し、2021年度は、より積極的な採用活動の継続が予測されます。
飲食、結婚、旅行領域など外出制限による経済活動が制限される中ですので、カテゴリによって大きく影響の出るサービスは中々求人の回復は見込めないでしょう。
ただ、HRテックやAI、ビッグデータ活用や決済サービスは引き続き市場ニーズも高く、特にECはコロナ禍での巣ごもり消費もあいまって売り上げは依然高い水準で成長しています。
また、デジタルサービス企業は、従業員のデジタルリテラシーも高いため、他社に先駆けた働き方改革(リモートワークなど)の取り組みが、コロナ禍による働き方に大きな混乱もなく事業継続できているところが多いのも特徴です。
募集職種は、エンジニアやビジネスサイドの職種に加え、データサイエンティスト等データ系職種への採用ニーズも依然高く、ベンチャーサイドではCxO候補となる経営メンバーの採用案件も出てきております。
選考もオンラインのみで完結する企業さまがほとんどで、引き続き転職希望者からの選考機会が増えていくことが想定されそうです。
<記載:ウィンスリー 藤並 克充>
デジタル分野人材 採用動向③<広告会社・制作会社編>
デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性についての認識が深まりはじめていた折、昨年来のコロナ禍の影響で企業のDXへの取り組みが急務となっている状況ですが、これまでの一連の流れの中で広告会社の在り方も大きく変わろうとしています。
電通では、電通ビジネスデザインスクエアという部署を2017年に立ち上げ、多くの企業に対してグロースにコミットしたコンサルテーションを提供しはじめています。そして本年1月にはトヨタ自動車と新体制を立ち上げてマーケティング改革やビジネス創造の推進についてクライアントと共に取り組んで行く事も発表しています。
また、オプトホールディングスでは2020年7月にデジタルホールディングスに名称変更する事で、デジタルシフトを支援するというドメイン拡張の宣言を行いました。
これらは一例ではありますが、広告会社としても事業グロースにコミットした上でDXやBX(ビジネストランスフォーメーション)やCXなどを具現化し続けながらクライアント企業に長く深く寄り添うスタンスが不可欠になっているという事であり、かつ、広告会社としての連続的なビジネス成長のため、企業側のニーズに合わせて本格的に事業ドメインを拡張する必要があったという事情も想像できます。
こういった状況から、新規採用周りもこれまでの旧来型の人材ニーズよりも、従来広告会社には希少であったDXやBXやCXなどに必要とされるファンクションを持つ人材がより強く求められる傾向が今年は高まります。この領域は、コンサル会社やSIer領域とのガチンコの人材獲得競争になるため、広告会社ならではの魅力を最大限に打ち出した採用活動が展開されるでしょう。
<記載:ウィンスリー 瀧島 一郎>
デジタル分野人材 採用動向④ <ITコンサル・SIer編>
日本国内コンサルティングサービス市場は成長を続けており、2019年の8,217億円から2024年には1兆円に達すると試算されています(*1)。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが拡大しており、新しいテクノロジーやデータを活用し、DX実現に導くコンサルタントが各方面から強く求められています。
また、SI市場も同様に成長を続けており、2019年の国内ITサービス市場規模は5兆8,558億円まで成長(*2)。市場拡大に伴い、エンジニア、アーキテクト、プロジェクトマネージャー等、あらゆる職種が売り手市場となっています。特に、データサイエンティスト、データアナリスト、情報セキュリティ人材は市場に枯渇しており、これまで採用のハードルが高かった人気企業においても間口が広がっています。現時点ではコロナウィルスの影響はほぼ無く、キャリアアップ転職をめざす求職者には今が大きなチャンスとなっています。
両者とも、人材の流動化は低くない業界ですが、今年は既述の大手事業会社、広告会社、デジタルサービス企業、各方面からの人材ニーズが高まり、専門性高いハイクラス人材は待遇レベルもかなり高騰してくるものと思われます。
*1. IDC Japan, 国内コンサルティングサービス市場予測
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46448620
*2. 国内ITサービス市場ベンダー 売上ランキングを発表
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46625320
<記載:ウィンスリー 沼崎 弘>