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2018.06.05

③【デジタル専業代理店 営業編】 目標数字150%達成の職務経歴書でも受からない!?営業職の転職価値急落の理由と進むべきキャリアの方向性

一見、売り手市場という印象の強いデジタル専業広告代理店の営業職。ところが、バリバリ結果を出し続けた30代営業職の方が、いざ転職活動をしてみると意外にも書類選考でさえ通過しないということが最近は数多く見受けられます。これは一体なぜでしょうか。

 

※WEB、インターネット、ネット、オンライン等の呼び方を弊社はすべて「デジタル」で統一していますのでご了承ください。

 

目標数字150%以上の達成でも職務経歴書では効果が薄い!?

まず、デジタル専業代理店の営業職を改めて見つめてみましょう。

そもそもデジタル専業代理店は完全分業制。営業、運用、クリエイティブ、メディアとそれぞれ業務が枝分かれしていることがほとんどです。営業は【窓口係】としての要素が強く、デジタルソリューションの基本的な知識はあるものの、GoogleやYahoo!、SNS広告メディアを売ってなんぼの世界。物売り営業になっているケースも多いのが事実です。

また、肝心の広告主もマーケティング戦略そのものは社内完結していたり、コンサルや大手広告代理店ストプラにまかせていたり、メディアの運用においてGoogleはA社、クリエーティブはB社、大手マス広告は総合広告代理店と分けて発注することが多いわけです。

つまり、デジタル専業は企業の本質的なマーケティング課題の解決を求められていることは少なく、単なるメディア販売代理店になっているケースもしばしば見受けられます。

 

元来、GoogleやYahoo!といった運用系の広告は、そのデジタル専業代理店に所属する運用コンサルタントが細かく運用し、費用対効果を最大限にあげていくことにバリューがありました。

企業側も効果が実感しにくいマス広告よりも費用対効果が見えやすく、更に毎月改善してくれる代理店へのリスペクトがあったと言えます。しかしながら、近年はGoogleやYahoo!の管理画面(システム)は大幅に進化し、運用への人的パワーをそこまで必要とせず、媒体側に効果が良くなる仕組みが設計されています。つまり、クライアントが直接運用を担当しても変わらないケースが出てきているわけです。

 

そうした背景からデジタル専業の営業は、とにかくメディアを売り、息の長い運用広告系の美味しいメディアが他の代理店に取られないよう、またクライアントが直接媒体へ発注という形にならないよう、地道な営業活動をしている状況です。つまり、現状の営業は「売って」、運用数字を「見て」、悪ければ社内で改善「調整」をする…を繰り返すシンプルな仕事と化していて、冒頭のように、本質的なマーケティング課題の解決に携わることもなく、提案書すらかけない営業も多いのです。

 

ずばり、あなたが採用担当者でしたら、このような【物売り】や【窓口係】の人材が欲しいでしょうか。

そう、履歴書の中でいかに案件を担当しているか、目標数字を達成しているか、だけではまるで意味がなく、その数字を達成するために営業はどこまで深く関わったか、どのような専門性を持っているのかが重要となってくるわけです。

 

 

実は一筋縄ではいかない!上流コンサルや事業会社への転職は極めて難しい

こうした状況を把握できている営業の方の中には、このまま営業職を続けていても、スキル向上は見込めないという危機感を持っている方も数多くいらっしゃるでしょう。

併せて、大手企業からの強気なマージン交渉を受け、20%のフィーも取れずに10%以下で運用広告を請けているところも多く、売上は高いが利益は少なく、給与も全体として低い、そんな企業が増えているのも事実です。加えて、そうした企業では改善対応に追われて、土日や深夜の業務に及ぶことも多く、健全な労働環境とは言いにくい状態。「肉体的・精神的にしんどい」「スキルがあがらない」といったネガティブな理由から転職を考える方が多いのも頷けます。ですから、こうした方々は同じような代理店への転職を敬遠するケースもしばしば見受けられます。

 

一方、転職のポジティブな(つまり体裁上の)志望理由として、よく挙げられるのは「上流コンサルをやりたい」、「デジタルの遅れている事業会社でやりたい」というもの。しかし、これが本当に難しいのです。

 

2000年代以降、ネット専業が生まれ、オンラインが右肩上がりに成長し、大きな予算を担当した実績や営業職の需要の高さを経験した方の中には「勘違い」を起こしてしまう方がいるのも仕方のないことかも知れません。

しかしながら、営業とコンサルというのは、近いようでとても遠いもの。「そもそもコンサルに必須である課題解決のスキルもなければ、ただGoogle売ってただけでしょう?」と指摘されるのが現実なのです。

 

同じく「請けではなく発注側にいけるから」「健康的な仕事ができそうだから」と事業会社を希望する方も多いのですが、これも大きな認識ミスといえます。

事業会社が代理店側に土日対応させるのは、むしろ事業担当者の逃げ場がないことの表れ。彼らのミッションは与えられた広告予算で最大の効果を出すこと、WEBを主戦場としている事業会社なら、コンバージョンが下がるだけで売上もさがる生命線なのです。常に、瀬戸際に追い詰められている状態。つまり、事業会社の担当者のほうが、極めて大きなプレッシャーを感じている、数字を背負っているんです。

そんな彼らからしたら「数字結構達成してますから、事業会社でも僕やれますよ」なんて志望動機が来たら、もう即アウト。「そもそも数字どこまで背負ってたの?効果が出なかったクライアントがあったとしても、所詮出入り禁止程度。他のクライアントで売り上げあげたらいい、そんな感覚でしょう?数字を背負う覚悟もなく、専門性もない。単なるGoogle売ってただけでしょう」というのが本音でしょうw。

 

また、運良く事業会社のデジタル広告担当へ転職が成功しても、予算がふんだんにあるわけではなく、0.1%を上げるために四苦八苦し、代理店のように、こちらのクライアントがダメなら、あっちのクライアントへなどと逃げ切れない世界。そうした状況に耐え切れず、結局数ヶ月でエージェンシーサイドに戻る方もたくさん見てきました。

 

 

これからの営業職に求められること。いざという時の転職にも効く【3つの習慣】

ここまで、かなり厳しいことを述べてきましたが、もちろん専業代理店の営業職の皆さんにも多いに道はあります。いかにして意識改革を行うか、これからの営業職が身につけるべき習慣を3つ挙げておきます。

 

①常にクライアントの本質的課題を解決する提案をすること

あなたが今、在籍している会社には、おそらくここは求められていません。

しかし、これほどのスピードで変化を続ける世の中で、クライアントも新しい試みを取り入れなくては他社にすぐに負けてしまうでしょう。

あなたが手掛けた提案は通らないかも知れない上に、お金にもならないかも知れません。ただ、間違いなくその提案はGoogleの広告改善と同じくらい事業会社にとって嬉しいこと。きっちりと提案書改善書を書いてみるのもアリだと思います。

ポイントは自分自身がクライアントの責任者だったらどうするか?と常に意識し続けること。この癖をつけていくだけで、他の営業やエージェンシーとは違った、新しい提案ができるはずです。オフラインやソリューションの提案ももちろんアリです。

 

②システムの設定と運用を経験すること

実際にやってみてください。システムに強い営業は、実際のところあまりいません。

運用上がりの営業の方もいますが、管理画面も常に進化しているもの。たまには運用を担当し、新しい情報をインプットしてください。これはどんな業種にも言えることですが「現場を知っている」人ほど、強いものはありません。

システムにも運用にも強い営業はクライアントからも頼りにされますし、「あの人は何でも知ってるね!」と揺るぎのない信頼に繋がっていきます。そして、それは「システムや運用に精通し、そのために指名で仕事を請けることが多く、売上が安定していました」という履歴書にも記せる実績となっていくわけです。

 

③とにかくデータを見て分析し、仮説を徹底的に作り続けること

膨大なトラッキングデータ、購買データ、など数多くのデータをあなたも見られる環境にあるはずです。そのデータから読み込んで、分析し、具体的な仮説を立ててみて下さい。そして提案する。再び、分析して改善して仮説を出す。

この分析→仮説を自分で組み立てることを習慣化してください。自らの頭で考え、そして常にロジカルな提案ができるよう、心がけると良いでしょう。そのスキルは、①の本質的課題を解決する提案を行う際にも多いに役立つはずです。

 

 

デジタル専業の営業キャリアの進むべき方向性とは

上記の習慣を数年間意識して活動していた営業の方でしたら、30代半ばにおいても転職は可能です。

我々ウィンスリーのもっている大手総合代理店やコンサル企業、大手事業会社への転職の可能性も高くなります。特に今、お読みいただいている20代?30代前半の方には以下のキャリアの方向性もぜひ参考にしていただければと思います。

①営業マネジメントとしての方向性

 

営業として活躍を積み重ねると、デジタルは若い業界ということもあり20代でリーダーやマネジメント職の肩書きを得ることも多いです。そこで新たに必要になるのが「自分ではなく、他のメンバーに売らせる」というスキル。優秀な選手が優秀な監督になるとは限らないのと同様に、自身は優秀な営業マンであっても、マネジメントにまわったら上手く下を育てることができないということは多々あります。「まだまだ下が追いついて来ないから、自分も現場やってるんだよね」などと格好をつけている若手マネージャーもいますが、それは自らのマネジメント能力の無さを示しているようなものです。

会社にとっては、個人の営業力よりも、マネジメントして優秀なメンバーを数多く育てることで売上貢献してくれる人のほうが間違いなく重要です。営業マネジメントを追求していく方向もぜひ検討してみてください。

 

②ジョブチェンジ

上記の習慣を突き詰めてきた20代の3年目程度営業であれば、ポテンシャル枠として事業会社のマーケティングへのチャレンジという道も選択可能です。しかしながら、いくら高い営業力があったとしても残念ながら、20代後半からは相当厳しいと言わざるを得ません。

その一方、人事中途採用ポジションなどはいかがでしょうか。弊社のクライアントの中にも、営業からコンバートして採用人事を担当されている方はたくさんいらっしゃいます。一見、人事とはバックオフィス要素の強い部門にみえますが、実は営業出身の方は採用場面においても威力を発揮します。営業職の方はコミュニケーションレベルも高く、運用やプランナーなど横断的に仕事をしていましたので、社内への調整能力もある方が多いです。できる営業は会いたいする候補者にとっても魅力的に映るものです。

採用部門はどの企業も苦戦していますので「良い人材を取るから、採用をやらせてくれ」というジョブチェンジのアプローチは有効ですし、人事・採用という職種が今後無くなることはありません。

 

③売る商材そのものを変える

デジタル広告の今後を少し俯瞰で見てみましょう。今後は、システムの進化によるクライアントの直接発注の増加やAI運用の普及により、代理店の機能そのものの必要性が見直されることも当然出てきます。代理店自体の存在意義が薄れれば、もちろん収益は下がりますし、売っても売っても給与が上がることはない…そんな未来もそう遠くはないかも知れません。

 

他の商材においても同様です。商材やサービス自体が旬でないものは、いくら営業が強くても売れません。

この本質に目を向けて、今後の躍進が見込めるものや高単価な商材、サービスを見出し、そこに高い営業力を掛け合わせながら、キャリアアップしていくという形もありだと思います。

現在でいえば、外資系BIツールの営業や医療機器メーカーの営業、保険の営業など給与が比較的高い業界で、ご自身の高い営業力を携え転職をし、ご活躍されている方が数多くいらっしゃいます。上記の業種はデジタルマーケティングがまだ浸透しきっていないので、新しい風を入れることができるかも知れません。

このように、30代前半までなら、いくつものキャリアの方向性が選べます。

しかし一方でキャリアは積み重ねですから、後戻りができないのも事実です。我々ウィンスリーにお越しくださった方の中にも、非常に優秀な方にも関わらず、こうした理由から「ああ!あと3年お会いするのが早ければ…」と思うことが多々あります。だからこそ、少しでも早く、ご自身のキャリアを見据えた活動を始めていただきたいのです。

 

私はよく、面談の際に「5年後、どんな生活をしていたいですか?」とお伺いすることがあります。

「自由な時間が取れるようになっていたい」、「海外で暮らしていたい」、「大きなチームを動かす仕事をしていたい」など、その答えは様々です。給与や待遇など目先のメリットだけで選択をすると、ミスマッチも生まれがちですが、逆に明確な方向性が見えていて、それが明らかに必要な通過点だと納得できていれば、次の転職先で多少ネガティブなことがあったとしても乗り切れるものです。

重要なのは、そうした方向性をいち早く自身の中で見出すことにあるのです。

現時点で明確でなくても構いません。ご自身のキャリアの方向性を見つめる機会として、一度話をしてみたい、または話を聞いてみたいという方も、ウィンスリーは心より歓迎いたします。

 

キャリアのバリューがつく、営業の方のおすすめ求人ピックアップ(18年6月1日現在)

 

電通デジタル/アカウントプランナー

ご存知の電通デジタルの営業職。デジタル専業広告代理店と大差なさそう、、と思われる方もいらっしゃいますが中身はだいぶ異なります。

まず、テレアポなどの新規の営業はなく、既存クライアント、電通クライアント中心です。新規でアカウント開くぞ!そんな感じの営業スタイルではありません。案件はいわゆるナショナルクライアントと呼ばれる大型案件が中心で予算も数億規模。代理店として求められるレベルも非常に高いですので、優秀なプランナー、コンサルとチームを組みながらクライアントの課題を解決していくので、必然とご自身のスキル経験もアップしていくでしょう。

また、既に社員1000名以上抱える電通デジタルはいわゆる下流の広告領域のみではありません。上流、データ周りなど、クライアントに深く入り込みマーケティング全体の課題を解決していく部隊もいます。このチームとの連携もありますので、単なる「デジタル広告の営業」とは中身が異なっています。まだ立ち上がって2年と経たない同社ですので、まだまだ過渡期です。その組織を一緒に作り上げていく醍醐味も感じられるおすすめの求人です。

 

 

インテージ/マーケティングディレクター(デジタルマーケティング領域事業における商品開発および販売促進担当)

ドコモと協業で手がけるDMP/DSP 「di-PiNK」 を中心に、デジタルマーケティング領域事業の取引拡大・事業拡張を担う部隊です。クライアントや外部パートナーが保有・収集したデータに、インテージが保有するユニークかつ幅広いリサーチデータを統合・解析することにより、ユーザーニーズや顧客像をより深く理解し、生活者のインサイトを可視化していきます。生活者とのコミュニケーションの高度化・最適化を実現し、販売促進や商品開発等、クライアントのマーケティング活動を効果的に支援していきます。

単なるありもの商品を売っていくのではなくクライアントの潜在的な課題解決に向けて、商品開発の役割も任せられます。データを握ることのビジネスインパクトはご説明不要かと思います。

 

 

楽天データマーケティング/アカウントプランナー

電通と楽天のジョイントでできた楽天マーケティング株式会社。楽天の大規模なデータを利用した新しい広告・販促提案を電通とともに行っていきます。元Googleの有馬誠氏が代表就任となり話題となりました。楽天は国内だけで、楽天会員数は約9000万、楽天スーパーポイント発行数は累計で1兆ポイントあります。「マス、デジタル、そしてリアルの店頭まですべてのファネルの上から下まですべてを垂直統合させたマーケティングを実現したい」とのことです。ロンチまもない会社での営業メンバーを積極採用しています。

 

 

ご興味ございましたら下記までお気軽にお問い合わせください