オファーレターには要注意?デジタルマーケティング業界の年収と残業の話
結婚・出産・育児などライフステージの変化や、体力的な問題で、残業を減らしたいという方が非常に増えてきています。
また一方で、働きやすさや労働環境を改善すると同時に、年収は上げていきたいものでしょう。
今回は、転職理由のトップ5に必ず入ってくる年収・残業について、実際の事例を交えて実態を解説します。
目次
事例:残業は減らして、年収はアップする方法とは!
先日、弊社(転職エージェントウィンスリー)を利用して転職をされた女性候補者様の例です。
年収が400万円から430万円と少しアップしただけに見えましたが、この転職によって実際には驚くべき変化があり大変喜ばれていました。
早速ご紹介します。
※仮称 高橋かなこさん(26歳・女性)/ネット専業広告代理店 運用兼コンサルタント
MARCH卒。新卒から大手ネット専業広告代理店で、運用コンサルタントとして活躍し、若手育成リーダーとして活躍の4年目。
大手〜中堅規模のクライアントを担当し、広告予算も数百万円〜数千万円まで幅広く運用している。年収は残業含めて400万円。
非常に多忙であり平日は残業が毎日。仕事も運用に関してはやりきった感があり、自身のスキル経験の幅がこのまま広がるのか不安な状況。
転職のきっかけは、会社は残業を減らしていくと表向きは言いながらも、実際は改善の目途が見えなかったり、残業している人が評価されたり、残業を減らしながらも、もっと評価されたい(年収を上げたい)、そんなオーダーがありました。
詳しくお話を伺ってみると、会社の中でも多くの重要案件を抱えていて利益創出に貢献しており、また、毎日遅くまで働いている実情を何とか改善したいと週末の時間を使って、Excelマクロの活用した作業の自動化を実現させるなどして、残業を大きく減らすことができました。
しかし、これが殆ど評価をされず、逆にもっと仕事を渡せそうだという判断になって、早く帰りにくい雰囲気を感じているという皮肉。
昇進昇格や表彰されている人の共通点が、遅くまで残業している人あるいは残業後に上層部と飲みにいく人が多かったりしているそうです。
こうした事は広告業界では当たり前と考えている人も多いかも知れないですが、とても古い考え方になってきています。
かなこさんの様なケースは非常に多くなっています。
特に広告運用なら代理店なら基本やることは似ていて想像できてしまいますので、残業も少なく、年収も高く、働きやすい雰囲気のほうがいい、そう思われるのは自然なことです。
「みなし残業制」によって年収はどの程度アップするの?
かなこさんがいた ネット専業広告代理店A社から、総合広告代理店系B社に転職したケースです。
A社(ネット専業広告代理店)
・賞与は無し
・平均残業時間は60h
・月30時間までの見なし残業制(年棒に込み)
・標準労働時間は1日8時間
→ 残業込の年収が約400万円
B社(総合広告代理店系)
・賞与は有り
・平均残業時間は40h
・月30時間までの見なし残業制(年棒に込み)
・標準労働時間は1日7時間
→ オファーレターでは430万円
これをエクセルで可視化すると<表1>になります。
一見すると、月収1万円強アップに賞与分が追加されたくらいに見えます。
<表1>
でも実際にはオファーレターからプラス残業代が10h分付きます。
400万円→460万円のアップをしたことになります。
一方で月の勤務時間は40時間も減っているのです。
(1日の基準時間が1h短くなっている上に、残業時間が20h減っています)
<表2>
更にA社が今後、働き方の改善 を行って、残業を40hに抑制したら、どうなるでしょうか?
年収が360万円を切ってしまうことになります。
そうすると100万円以上の差がつくことになります。
<表3>
A社からB社への転職をひも解くと、このような実態になっているのです。いかがでしたでしょうか?
企業としては、なるべくコストを下げて、売上利益を増やしたいというのが通常の企業活動です。
前回も述べましたが、特に代理店の広告運用担当者は、大手でない限り、なかなか条件は上がりにくい構造があります。
残業は減って嬉しい半面、想定以上に年収が下がるとなるといろいろ考えものですよね。
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転職を検討し、実際に採用活動をするにあたって、知っておくべきことがあります。
それは、この2つです。
- ご自身の年収や残業が転職市場でどんな位置づけなのか?
- 改善する転職は可能なのか?
ご自身の転職活動では、それら数多ある情報をインプットする時間は中々無いのではと思います。
弊社ではこのような転職を多くご支援しています。
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