異業種からの転職

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『異業種転職』 で成功する確率はごくわずか。狭き門を打ち破る人に共通すること

 ここで言う 『異業種転職』 とは、≪広告代理店から事業会社へ≫ 、≪事業会社から広告代理店へ≫ を指しています。こうした転職において、成功と失敗へその後の結果を左右するのが、そもそもの動機において 「幻想」 からコトをスタートさせていないか?という点です。ではそれぞれのケースについて、少し詳細に見てみましょう。

 

甘くない 『異業種転職』 を勝ち取るために知っておきたい事実

≪広告代理店から事業会社へ≫

 志望する際に、「立場が変わるだけで、やっていることはほとんど同じ」 、と思って臨む人。また、「言ってみればこちらはその道のプロ。中 (事業会社) に入ったら全部自分に任せておけばいい」 なんて考えている場合は既に幻想を抱いています。代理店担当者として顧客の宣伝業務の一部に一定期間だけ携わった人間が、会社全体の計画の中で数字を背負い、結果を出し続けていくという重責をわかっているのか?を再確認すべきです。それでも、「そんなことはない。結果にコミットしているのは自分の業務においても同様だ」 という声も勿論あることでしょう。しかし、自分が担当したプロモーションで思ったほどの成果が出なかったからと言って、その人が負わされる責めは、事業会社が販売計画の中で出した損失をどう補填するか?というのっぴきならないイシューとは比べられるものではありません。事業会社で働くということは、直接的に企業活動に影響する仕事を担うということです。この、結果というものへの意識の仕方がすでに、多数のうちの一案件に過ぎないのか、市場競争でのパイの食い合いに与すると考えるのか?といった、大きすぎる温度差が存在しています。

 ですから、もし幻想を持って事業会社へ (運良く) 転職できたとしても、多くの場合は半年も経たずに退職へと至っています。数字的な改善ができない、上から否応なく降ってくる KPI に応えることができない、他部署とのネゴシエーション、理解のない上長への稟議、一朝一夕にはいかない課題に直面して初めて、その幻想が破られることになるからです。

 

≪事業会社から広告代理店へ≫

 「自分はもっと正当に評価されるべきだ」 という思いは悪いものではありません。しかしそれが、「自社のプロダクト (サービス) がどうも好きじゃない」 、「デジタルをまったく理解しない無能な上長たちの相手はしていられない」 とか、もっと言えば 「自分なら、自由にもっと派手なプロモーションをバンバン成功させることができるのに!」 という、現場での満たされないフラストレーションから自由さを求めて広告代理店へ志望する場合も、幻想にとらわれてしまっています。もっとも異なる点は、代理店の人間は自分が担当する顧客へ絶対の忠誠心を持つ仕事です。忠誠心と言うと聞こえがいいですが、時にそれは服従と言ってよい向きもあるほど。「夜討ち朝駆け」 と言うのはあながちウソではなく、顧客の要望に応えるためには24時間営業中と呼べる状況も珍しくはありません。

 しかも、これまで事業会社側では、オリエンをして上がってくる提案に対して決定をしていけばよかった成果物も、一流のスタッフをアサインし、それらをプランどおりに統合していく作業は膨大な時間と労力の結晶です。「こんなはずじゃなかった…」 と悔やむ前に、自分の志望動機が現状のネガティブな批判から始まっていないか?をチェックすべきです。また、代理店ではドキュメント制作がほぼ同時進行で複数回すこともルーティンのうち。数値的・視覚的・論理的・情緒的に納得させられる企画書作成力で挫折するケースも多いのです。

  

すべての人には薦めない、異業種転職に向いているのはこんな人!

●志望時点で幻想を排し、速やかに意識改革ができる

●それぞれの場で適切な意識を持って業務に臨める

●上流思考で仕事を俯瞰できる

●先入観、規定の概念を持たずに現場に当たる

 基本的な素養として上記をピックアップしましたが、さらに事業会社から代理店を志す人に望ましいのは、好奇心旺盛であること。日本全体へ影響力のある仕事をしたいという高い意欲をキープできることなどもポイントとなります。反対に、代理店から事業会社を志す人が備えていると望ましいのは、全体的な課題解決を志向できること、自分の仕事を経営にどう生かせるのか考えられることなどが大切です。当社の過去事例では、代理店において上流行程に携わっていた方や、ストプラ(ストラテジック・プランニング)を担当していた方などが異業種転職を成功させています。そうしたスキルをもとに、売上をどう作っていくか?の道筋を構築できれば、CMOを目指す可能性も開けるはずです。

 いずれにしても、まず希望の段階で、その業界で働くことへの大胆とも言える意識改革が必須となります。当社ではたとえ志望をされても、この段階で意識改革ができない方にはご紹介をしないだけでなく、別のキャリアを進まれるよう、客観的に見た市場価値をご一緒に追求することにしています。